オール電化の電気代が高い:給湯と暖房の見直し順

オール電化にしたはずなのに、電気代が高い。
「うちはガス代がないのに、なんでこんなに…」と明細を見て固まる。
そして頭をよぎるのは、節約の努力が足りないのか、設備が壊れているのか、契約が合っていないのかという不安です。
家計の土台を揺らす話なので、焦るのは当然ですし、失敗したくない気持ちもよく分かります。
その気持ち、痛いほどわかります。

ただ、安心してほしいのは、オール電化の電気代が高い原因は、ほとんどの場合「給湯」と「暖房」に集約できる、という点です。
言い換えると、見直す順番さえ間違えなければ、遠回りせずに改善ポイントへ辿り着けます。
逆に、順番を誤ると「細かい節電」を積み上げても、元の大きな原因が残り続けるため、体感が出ずに疲れてしまいます。

最初に深刻度判定です。
すぐに処置が必要なケースは、第一に「前月から突然倍近く」など異常な増加が出た場合、第二に給湯がぬるい・湯切れが頻発する・エラー表示が出るなど設備不具合の疑いがある場合、第三にブレーカーが落ちる、焦げ臭い、異音がするなど安全面の不安がある場合です。
この場合は節約より安全と故障対応が優先です。無理な自己判断は避け、メーカー窓口や電気工事の有資格者への相談を多くのプロは推奨します。

落ち着いて対処できるケースは、「高いけれど急激な異常ではない」「設備は動いている」「生活パターンに合う運用へ直したい」という状態です。
この記事はこの層に向けて、原因の切り分け、レベル別の対処(DIY→本格)、そしてプロへ依頼する基準まで、すべて網羅します。
読み終えたときに「自分は次に何をすればいいか」が迷いなく分かる状態をゴールにします。

※この記事は、住まい・生活トラブル分野の専門的知見を持つライターが、製品仕様や一般的な施工基準に基づき執筆しました。状況により専門業者の判断が必要な場合があります。

目次

基礎知識:トラブルのメカニズム解剖(オール電化は「熱」を電気で作る。だから給湯と暖房が支配する)

なぜオール電化は「給湯」と「暖房」で差が出るのか:熱は作るほど逃げるから

オール電化の電気代が高い原因を理解するには、まず「熱」の性質を押さえる必要があります。
熱は、作れば作るほど、そして温度差が大きいほど、周囲へ逃げやすくなります。
つまり、冬の暖房やお湯は、外気が低いほど、同じ快適さを保つのにより多くのエネルギーが必要になります。
しかも、お湯は作って終わりではありません。タンクに貯めれば「保温」という形でロスが出ますし、配管を通せば途中で冷めます。
この“逃げる”を前提にしない節約は、効果が頭打ちになりやすいのです。

ヒートポンプの誤解:電気で熱を「作る」より、熱を「運ぶ」ほうが効率が良い

多くのオール電化住宅では、給湯にエコキュート(ヒートポンプ給湯機)が使われ、暖房はエアコン(ヒートポンプ)が中心になります。
ヒートポンプは、電気で熱を作るというより、外の熱を室内や水へ“運ぶ”仕組みです。
この仕組みは条件が良いほど効率が上がり、条件が悪いほど効率が落ちます。
外気温が低い冬、霜取り運転が増える環境、フィルター詰まり、風の通りが悪い室外機配置などは効率を落としやすいです。
だからこそ「設定温度だけ下げる」よりも、効率が落ちる要因を潰すほうが効果が大きくなりやすいのです。

時間帯料金との関係:夜間が安い前提で「沸き上げ」が夜に寄る設計が多い

オール電化は、電気料金メニューが時間帯別になっているケースが多く、特に給湯は夜間の安い時間帯に沸き上げる設計が一般的です。
ところが、生活が変わって昼にお湯を大量に使う、湯切れして昼間に追加で沸かす、日中の単価が高い時間帯で追い焚きが増える、といった状況になると、想定外に電気代が伸びます。
つまり、オール電化の電気代は「設備の効率」と「時間帯の乗り方」の掛け算です。
どちらか一方だけ見直しても、もう片方がズレていると体感が出にくいのが難しさです。

放置のリスク:1週間後は“節約疲れ”、1か月後は“設備の無駄運転が習慣化”する

高い電気代を放置すると、1週間後に起きやすいのは節約疲れです。
照明を消す、待機電力を切る、細かい努力を積み上げる一方で、給湯や暖房の大きな原因が残るため、結果が見えにくくなります。
1か月後に起きやすいのは、無駄運転の習慣化です。湯切れが怖くて「高め設定」に固定、寒いから「強運転」に固定、追い焚きが当たり前になる。
この状態は、暮らしの満足度も下げやすいので、早めに“順番通り”に見直すことが大切です。

準備編:プロが選ぶ道具と環境づくり(まず「見える化」。でも安全第一で)

必須道具:明細、使用量の見える化、そして給湯・暖房の「運転ログ」

最短で原因に近づくために必要なのは、根性ではなく情報です。
第一に、電気料金の明細(最低でも直近2〜3か月、できれば前年同月)を用意します。季節要因を切り分けるためです。
第二に、電力会社のマイページやアプリで、日別・時間帯別の使用量が見られるか確認します。見えるなら、それが最強の手がかりです。
第三に、給湯と暖房の運転状況をメモします。エコキュートの沸き上げ設定、湯量設定、追い焚きの頻度、暖房の運転時間帯と設定温度。
この3点が揃うと、「どこが原因か」を論理的に絞れます。

100均で代用できるもの、という観点では、メモ用紙とペンで十分です。
一方で、あると便利な道具として、コンセントに挿して消費電力を測る簡易電力計があります。
ただしオール電化の主役である給湯器や分電盤周りの計測は、素人が触れる領域ではありません。
安全のため、カバーを開けたり配線に触れたりはしないでください。ここはプロの領域です。

安全確保:触っていいのは「リモコン・設定・フィルター」。触らないのは「分電盤・配線・機器内部」

節約のために作業するほど、事故のリスクが上がるのは本末転倒です。
DIYで触ってよいのは、室内のリモコン設定、エアコンのフィルター清掃、換気や遮熱など生活環境の改善です。
触らないほうが良いのは、分電盤、ブレーカー容量の自己改造、給湯器や室外機の分解、配線の付け替えです。
「焦げ臭い」「異音」「漏電ブレーカーが落ちる」「エラーが繰り返す」などがあれば、節約より先に点検を優先してください。

実践編:レベル別解決策(ここが最重要。給湯→暖房→契約の順で潰す)

【レベル1】初心者でも可能な初期対応(DIY):給湯と暖房を“順番通り”に整える

最初に結論:オール電化の見直し順は「給湯(湯切れ・追い焚き)→暖房(負荷と逃げ)→時間帯(乗り方)」

オール電化の電気代で最初に狙うべきは給湯です。
理由は単純で、給湯は毎日必ず使い、しかも“熱の貯金(タンク)”があるため、設定と習慣で差が出やすいからです。
次に暖房です。暖房は季節で伸びますが、断熱・気密・使い方で改善幅が大きい領域です。
そして最後に、時間帯の乗り方(プランや沸き上げ時間)を整えます。ここを先に触ると、原因が隠れて迷子になりやすいです。

給湯:実況中継で見直す(準備→手順→確認)

準備:今夜から「お湯の使い方」を観察する。目安は24時間

今日から24時間だけ、家族に「お湯の使い方を観察する期間」と共有してください。
観察するのは、シャワー時間、追い焚きの回数、お風呂のふたを閉めているか、洗い物でお湯を使うタイミング、湯切れの有無です。
この観察が必要な理由は、エコキュートの設定が適正でも、使い方で“昼間の追加沸き上げ”が発生していることがあるからです。
追加沸き上げが増えると、単価の高い時間帯に電気を使ってしまい、請求が伸びやすくなります。

手順1:湯量設定は「多すぎる固定」をやめる。まずは“1段階だけ”下げて様子を見る

エコキュートには、湯量(貯湯量)の設定がある機種が多いです。
よくある失敗は、湯切れが怖くて最大寄りに固定し、結果として毎日“必要以上の湯を沸かして保温ロス”を積み上げることです。
ここで大切なのは、いきなり極端に下げないことです。まずは1段階だけ下げます。
そして翌日の夜まで生活して、湯切れが起きないか、シャワーが途中で冷たくならないかを確認します。
湯切れが起きなければ、その設定が“あなたの生活に合う可能性が高い”ということです。

手順2:追い焚きが多いなら、原因は「冷める仕組み」にある。ふた、湯量、入浴間隔を疑う

追い焚きが増えると、電気代が上がりやすいのはイメージしやすいと思います。
しかし、追い焚きを減らすコツは「我慢して追い焚きしない」ではありません。
多くの家庭で効くのは、第一に浴槽のふたを必ず閉めることです。ふたを開けっぱなしにすると、湯面から熱が逃げ続けます。
第二に、家族の入浴間隔が空きすぎるなら、最後の人が入る直前に少量の足し湯で調整するほうが、長時間の追い焚きより有利なことがあります。
第三に、そもそも湯量が少なすぎて冷めやすいケースもあるため、湯量と追い焚きの関係を一度セットで見直します。

手順3:「高温さし湯」「保温」など便利機能は、便利なぶん電気を使う。使いどころを決める

便利機能は暮らしを快適にしますが、快適さの裏側には消費電力があります。
高温さし湯で一気に温度を上げる、保温で自動的に温度を維持する、といった機能は、使い方によっては追い焚き以上に運転が増えることがあります。
おすすめの考え方は、「使う日を決める」ことです。たとえば週末だけ保温を使い、平日はふた+短時間調整で済ませる。
このようにメリハリをつけると、ストレスを増やさず節約の効果が出やすいです。

確認:翌朝に「追加沸き上げが発生していないか」をチェックする

機種によりますが、エコキュートのリモコンで沸き上げの履歴や運転状況が分かる場合があります。
確認したいのは、夜間だけで沸き上げが完結しているか、昼間に追加で動いていないかです。
昼間に動いているなら、「湯量設定が低すぎる」「追い焚き・保温が多い」「家族の生活時間が分散している」など、原因が見えてきます。
ここが見えれば、対策は的外れになりにくいです。

暖房:実況中継で見直す(準備→手順→確認)

準備:暖房の“主役”を確認する。エアコンか、電気ストーブか、床暖房か

暖房の見直しは、まず主役を確定させることから始めます。
エアコン(ヒートポンプ)中心の家と、電気ストーブやパネルヒーター、床暖房が中心の家では、効率と改善ポイントが大きく異なるからです。
特に、見落とされがちなのが「補助暖房の常用」です。
エアコンはついているけれど、寒いから電気ヒーターもずっと、という状態は、電気代が伸びやすい典型パターンです。

手順1:設定温度より先に、風量と風向きを整える。温度ムラは“同じ部屋で二重暖房”を呼ぶ

設定温度を上げる前に、まず風量と風向きを見直します。
エアコンは温風が天井付近に溜まりやすく、足元が寒いと感じやすい構造です。
足元が寒いままだと、電気ヒーターを追加する、温度を上げる、という二重の消費に繋がりやすいです。
具体的には、暖房時は風向きを下向きにし、風量は弱ではなく“自動”または一段上げて循環させます。
5分〜10分ほど運転し、足元の冷えが軽くなるか体感で確認します。

手順2:フィルター清掃は“最優先”。詰まりは効率を落として運転時間を伸ばす

エアコンのフィルターが詰まると、空気の流れが悪くなり、同じ暖かさを作るのに時間がかかります。
結果として運転時間が伸び、電気代が増えやすくなります。
フィルター清掃は、機種にもよりますが、掃除機で埃を吸い、汚れが強ければ水洗いして乾燥させます。
ここで大事なのは、濡れたまま戻さないことです。カビや臭いの原因になり、結局また運転が増える悪循環になります。
掃除の頻度は、暖房シーズンは2週間に1回を目安にすると、体感が変わりやすいです。

手順3:熱が逃げる出口を塞ぐ。窓と床の冷えは、暖房の努力を吸い取る

暖房で最も多い見落としは、熱が逃げる道を放置していることです。
窓からの冷気、床の冷え、すきま風は、いくら暖房しても体感が上がらず、結果として設定温度が上がってしまいます。
ここで効くのは、厚手のカーテンをしっかり閉め、カーテンが床近くまで届く状態にすることです。
さらに、ラグやマットで床の冷えを緩和すると、足元の不快が減り、二重暖房が減りやすいです。
この手順が必要な理由は、体感の改善が“追加暖房の抑制”に直結するからです。

確認:暖房の運転時間帯を1日メモし、補助暖房が“常用”になっていないか確認する

暖房の見直しは、設定温度の数字よりも「運転時間」と「補助暖房の有無」が効きます。
今日1日だけでいいので、エアコンをつけた時間、消した時間、補助暖房をつけた時間をメモします。
補助暖房が毎日長時間になっているなら、空調の効率低下(フィルター、室外機環境)か、室内の熱の逃げ(窓、床、すきま)に原因がある可能性が高いです。
ここが見えると、次の対処が迷いません。

【レベル2】専用道具を使った本格的な対処法:見える化を深めて“確実に”下げる

本格の基本:家全体の使用量の波形を見て、給湯と暖房の寄与を推定する

レベル2では、電力会社の見える化(30分値など)を使い、使用量の波形を見ます。
給湯の沸き上げがある家庭では、夜間にまとまった使用が出やすいです。
暖房は、起床前後や帰宅後に山ができやすく、寒波の日に跳ねます。
波形を見れば、「どの時間帯にどれだけ増えているか」が分かり、時間帯別料金との相性も評価できます。
数字に基づく判断は、節約のストレスを減らします。

給湯の本格対処:配管の熱損失と、貯湯温度の“過剰”を疑う

給湯のロスは、浴槽だけではありません。
蛇口までの配管で冷めていると、最初の冷たい水を捨てる時間が増え、結果として使用湯量が増えます。
また、貯湯温度が高すぎると、混合水栓で水を混ぜる量が増え、「使ったお湯の量」と「体感」のズレが起きやすいです。
ただし、配管の保温材追加や機器設定の深部変更は、住宅設備や施工状況で適否が分かれます。
DIYでできる範囲は、リモコンでの適正設定の範囲に留め、工事が絡む場合は専門業者へ相談するのが安全です。

暖房の本格対処:室外機環境の確認と、室内の循環改善が効く

ヒートポンプは室外機が仕事をしています。
室外機の周辺が塞がれている、落ち葉やゴミが溜まっている、雪や霜で吸排気が妨げられていると、効率が落ちて電気代が増えやすいです。
ここでの注意点は、掃除は外側の目視範囲に留めることです。分解や内部清掃は危険を伴うため避けてください。
室内側では、サーキュレーター等で空気を混ぜると、体感が上がり設定温度を上げずに済むことがあります。
ただし、風の当たり方で不快になることもあるため、短時間試して調整します。

時間帯別料金の本格検証:得か損かは「ずらせる負荷」で決まる

オール電化で時間帯別料金を活かすカギは、夜間に寄せられる負荷の量です。
エコキュートの沸き上げが夜間に完結しているなら、それだけで大きな夜間負荷になります。
そこに食洗機や洗濯乾燥などを予約運転で寄せられるなら、時間帯別のメリットが出やすいです。
一方で、在宅ワークで昼間の空調が太い家庭は、昼単価が高い設計だと不利になりやすいです。
だからこそ、プランの比較は「夜が安い」という言葉ではなく、「あなたのピーク時間帯が安い区分に入るか」で判断します。

【ケーススタディ】住居環境別の注意点:戸建てと賃貸で“できること”が違う

戸建ての場合:改善幅は大きいが、やりすぎは危険。設備の最適化は“段階的”が正解

戸建ては、断熱・気密、設備の選択肢、運用の自由度が高く、改善幅が大きいです。
その一方で、やりすぎて生活が不便になる、無理なDIYで安全性を落とす、というリスクも増えます。
おすすめは段階的な見直しです。まず設定と習慣(湯量・追い焚き・暖房の循環)で改善し、それでも足りなければ工事や設備更新を検討します。
「どこから工事が必要か」を見極めるのが、戸建ての賢い進め方です。

マンション・アパート(賃貸)の場合:触れる範囲が限られるからこそ、運用と遮熱・断熱が効く

賃貸では、設備を大きく変えられないことが多いです。
だからこそ効果が出るのは、運用の最適化と、窓・床など生活環境の改善です。
たとえばカーテンと床対策だけで、体感が変わり、補助暖房が減るケースがあります。
給湯も、追い焚きの頻度や入浴間隔の工夫で差が出ます。
管理規約や原状回復を意識しつつ、「元に戻せる対策」を中心に組み立てると失敗しにくいです。

比較検討:自力 vs プロ依頼の最終判断(ここまでは自分、ここからは相談)

判断の境界線:設定と習慣で改善する領域か、故障・性能劣化・工事が絡む領域か

ここまでは自分でやってOKの範囲です。
エコキュートの湯量設定の微調整、追い焚きの頻度を下げる工夫、浴槽ふた、暖房の風向き・風量、エアコンフィルター清掃、窓と床の冷え対策、時間帯別の見える化確認。
これらは安全性を確保しつつ、効果が出やすいポイントです。

一方で、これ以上はプロに相談したほうが良い境界線があります。
第一に、給湯器のエラーが出る、湯切れが改善しない、沸き上げが昼間に頻繁に入るなど、機器側の異常が疑われる場合。
第二に、暖房が効かない、室外機が異音、霜取りが異常に多いなど、性能劣化や設置環境の問題が疑われる場合。
第三に、断熱改修や配管保温など工事が絡む場合。
この領域は、誤ると安全や住まいの性能に関わるため、専門業者の判断が必要になる可能性が高いです。

DIYとプロ依頼の比較表(費用・時間・リスク・得られる確実性)

観点DIY(自分で見直し)プロ依頼(メーカー・設備・電気)
費用基本は無料。
必要なら小物(カーテン・ラグ・簡易電力計)程度。
点検費・出張費がかかる場合があります。
工事や更新はまとまった費用になることもあります。
時間今日からすぐ開始できる。
ただし効果検証に数日〜数週間かかることがあります。
日程調整が必要。
ただし原因特定は早く、再発防止まで進みやすいです。
リスク原因の見落としで遠回りしやすい。
無理なDIYは事故につながる恐れがあります。
依頼先により提案が異なる場合があります。
複数見積もりで納得感が上がります。
メリット生活を守りながら改善できる。
電気の使い方の癖が分かり、今後も迷いにくい。
故障・性能劣化・工事の判断ができる。
安全と確実性が高く、根本解決に近づきやすい。

表の読み解き方はシンプルです。
まずDIYで「設定と習慣」で改善できるところを潰す。ここは費用ゼロで効果が出やすい。
そのうえで、湯切れやエラー、暖房効率の異常など“設備側の可能性”が残るなら、プロの点検を挟む。
この順番にすると、相談時に「どこまで試したか」を説明でき、提案の精度も上がります。
つまり、DIYは節約だけでなく、プロ依頼を成功させる準備にもなるのです。

予防とメンテナンス:二度と繰り返さないために(季節で設定を変えるのが、オール電化の正攻法)

給湯の予防:湯量は「季節」と「家族構成」で見直す。固定が最大の敵

湯量設定を一度決めたら、そのまま何年も固定。これは電気代が伸びやすい習慣です。
冬は水温が低くなるため、同じ体感でも必要なエネルギーが増えます。夏は逆に余裕が出やすい。
また、子どもの成長、在宅の増加、部活や残業などで入浴時間帯が変わると、湯切れの出方も変わります。
だから、季節の変わり目に「1段階だけ」調整して様子を見る。これを習慣にすると、無駄な沸き上げが減りやすいです。

暖房の予防:フィルターと“熱の出口(窓・床)”を定期点検。ながらで十分

暖房は、機器の性能より環境で差が出ます。
フィルター掃除は、暖房シーズンは2週間に1回を目安にすると、効きが変わりやすいです。
さらに、窓の冷気が強い日は、カーテンの隙間を減らす、床の冷えをラグで和らげる、という小さな工夫が効きます。
この“ながら対策”は、設定温度を上げる前に体感を上げ、電気代を抑える方向に働きやすいです。

おすすめの予防グッズ:努力を減らすものが勝つ(タイマー・予約・見える化)

節約は、意志の力に頼るほど続きません。
エコキュートや家電の予約運転、タイマー機能、使用量の見える化は、忘れても勝てる仕組みです。
たとえば、食洗機を寝る前にセットして夜間に回す。洗濯乾燥を夜間に終わるよう予約する。
こうした仕組みは、時間帯別料金とも相性が良く、生活のストレスを増やさずに効果が出やすいです。

Q&A:よくある質問とマニアックな疑問(オール電化の“あるある”を全部解消)

Q1. 冬だけ電気代が跳ね上がります。故障ですか?

故障と断定はできませんが、冬に上がるのは珍しくありません。
外気温が下がると、給湯は水温が低くなり、暖房は温度差が大きくなるため、必要エネルギーが増えやすいからです。
ただし「去年より急に極端に増えた」「湯切れやエラーが増えた」などがあれば、性能劣化や設定ズレの可能性もあります。
前年同月と比べ、使用量(kWh)が増えているか、単価要因なのかを切り分けると判断が早いです。

Q2. エコキュートの湯量を下げたら湯切れが怖いです。どうすれば?

怖さは自然です。湯切れは生活のストレスが大きいからです。
おすすめは、いきなり大きく下げず、1段階だけ下げて24時間試す方法です。
それでも湯切れが出るなら、湯量を戻すのではなく、追い焚き・保温・入浴間隔の見直しで改善する余地がないかを確認します。
湯量は“最後の調整”にすると、無駄な沸き上げを増やさずに済みやすいです。

Q3. 追い焚きと足し湯、どちらが得ですか?

状況次第ですが、長時間冷めた浴槽を追い焚きで戻すより、短時間の足し湯で調整できるケースはあります。
ただし、足し湯で溢れさせると湯量が増えすぎて無駄になるため、少量で温度が上がるかを試すのが現実的です。
まずは浴槽のふたを徹底し、それでも冷めるなら入浴間隔や機能の使い方を見直す。
この順番だと、我慢ではなく仕組みで改善できます。

Q4. 昼間に給湯器が動いている気がします。問題ですか?

問題と断定はできませんが、時間帯別料金の家庭では、昼間の追加沸き上げが増えると電気代が伸びやすいです。
原因は、湯量不足、昼の大量使用、追い焚き・保温の多用などが多いです。
まずは湯量を上げる前に、追い焚きの頻度、保温の使い方、入浴間隔、洗い物の時間帯などを見直します。
それでも昼稼働が続くなら、設定や機器の状態確認をメーカー窓口に相談すると安心です。

Q5. 暖房は設定温度を下げれば下がりますか?

下がる可能性はありますが、体感が下がって結局補助暖房を追加すると逆効果になりやすいです。
多くのプロは、温度より先に「風向き・風量・循環」と「熱の出口(窓・床)」を整えることを推奨します。
体感が上がれば、温度を上げずに済み、結果として電気代が下がりやすいです。
節約は“我慢”ではなく“効率”で作るほうが続きます。

Q6. 電気ストーブや浴室乾燥を使うと、やっぱり高いですか?

傾向としては高くなりやすいです。特に電気で熱を直接作るタイプは、使用時間が伸びるほど電気代に反映されやすいです。
ただし、短時間だけ局所的に使うことで体感が上がり、全体の暖房運転を下げられるなら、トータルで悪化しないケースもあります。
ポイントは「常用」か「短時間の補助」かです。
常用になっているなら、環境(窓・床)や主暖房の効率を見直すほうが根本的です。

Q7. 室外機が霜だらけになります。電気代に関係しますか?

関係する可能性があります。
霜取り運転が増えると、実際の暖房効率が落ちやすく、運転時間が伸びることがあります。
ただし冬は霜がつくこと自体は珍しくないので、異常と決めつけないことが大切です。
「異音」「効きが急に悪い」「霜取りが頻繁すぎる」などが重なるなら、設置環境や機器の点検を検討すると安心です。

Q8. 電力プラン(時間帯別)を変えれば一発で下がりますか?

一発で下がる可能性もゼロではありませんが、生活と運用が合わないと逆に上がることがあります。
まずは、給湯が夜間に完結しているか、昼の空調がどれだけ太いか、ずらせる家電があるかを確認します。
そのうえで「あなたのピーク時間が安い区分に入るか」で比較するのが誠実です。
プランは最後の仕上げとして使うと、失敗しにくいです。

Q9. 古いオール電化設備だと、見直しに限界がありますか?

限界がある可能性はあります。
ヒートポンプ給湯器やエアコンは、世代で効率が違うことがあり、経年で性能が落ちる場合もあります。
ただし、設定と運用の最適化、フィルター清掃、窓・床対策だけでも改善する家庭は多いです。
それでも改善が小さい、エラーが出る、効きが悪いなどがあれば、点検や更新を含めた判断が現実的になります。

まとめ:オール電化の電気代は「給湯と暖房」を順番通りに見直すと、遠回りしない

オール電化の電気代が高いとき、最初に疑うべきは給湯です。
湯量の過剰固定、追い焚き・保温の多用、昼間の追加沸き上げ。ここを整えるだけで体感が変わることがあります。
次に暖房です。設定温度をいじる前に、風向き・風量・循環、フィルター清掃、窓と床の冷え対策で体感を上げ、二重暖房を減らします。
そして最後に、時間帯別の乗り方やプランを検証します。
この順番を守ると、努力が報われやすく、生活の快適さも守れます。

高い電気代は、あなたが怠けているからではありません。
多くの場合、生活の変化と設備のルールが噛み合っていないだけです。
焦らず、しかし確実に、順番通りに整えていきましょう。あなたの暮らしは、もっと楽に、もっと合理的にできます。

Next Step:読み終わった瞬間にまずやる「最初の1アクション」

今日このあと、エコキュートのリモコンを見て、湯量設定が最大寄りになっていないかを確認してください。
最大寄りなら、まず1段階だけ下げて、翌日の夜まで湯切れが起きないか観察します。
同時に、今夜のお風呂はふたを閉めることを徹底して、追い焚き回数が減るか体感します。
この2つは危険が少なく、効果が出やすい“最初の一歩”です。

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