シロアリ駆除業者は何をする?作業内容の流れと所要時間の目安

シロアリ駆除を業者に頼むとき、多くの方が一番不安に感じるのは「結局、家の中で何をされるの?」「どれくらい時間がかかるの?」「子どもやペットは大丈夫?」という、作業の中身が見えないことです。見積もり金額だけを比較しても、作業内容が薄ければ再発リスクが残りますし、逆に必要以上に大掛かりな提案をされても判断がつきません。その気持ち、痛いほどわかります。

そこで最初に、深刻度をざっくり判定します。第一に、床がフカフカする羽アリが室内で複数出た柱や敷居を叩くと空洞音がする畳や床の一部が沈むといった症状があるなら、これは「すぐに処置が必要なケース」である可能性が高いです。第二に、築年数が浅く症状がなく、点検で軽微なリスク指摘のみ、または予防目的で検討しているなら「落ち着いて対処できるケース」に寄りやすいです。

この記事では、シロアリ駆除業者が現場で実際に行う作業の流れを、点検から養生、薬剤処理、報告書、保証説明まで「実況中継レベル」で解説します。さらに、所要時間の目安と、家の条件で前後する理由、DIYでできる範囲と限界、そして業者に依頼するときの判断基準まで網羅します。「この記事さえ読めば、当日の流れが想像でき、必要な準備と断るべき提案がわかる」状態をゴールにします。

※この記事は、住まい・生活トラブル分野の専門的知見を持つライターが、製品仕様や一般的な施工基準に基づき執筆しました。状況により専門業者の判断が必要な場合があります。

目次

トラブルのメカニズム解剖:なぜシロアリは「気づいたときには進行」しやすいのか

シロアリ被害が厄介なのは、見た目の派手さではなく、家の内部で静かに進む点にあります。多くのシロアリ(特にヤマトシロアリ)は湿った木材を好み、床下の土壌や基礎沿いから侵入して、木材の柔らかい部分を中心に食害します。つまり、床や柱の表面がきれいでも、中身がスカスカになっていることがあり得ます。

そして、シロアリは乾燥が苦手です。そのため、彼らは移動のために泥で作る「蟻道(ぎどう)」というトンネルを作り、外気に触れずに移動します。これが曲者で、床下や壁内など視認しにくい場所に蟻道がある限り、住人が日常生活で気づくチャンスが極端に少なくなります。さらに、台所・浴室・洗面の周辺は湿気がたまりやすく、微細な水漏れや結露があるだけで餌場として条件が整ってしまいます。

加えて、羽アリが出る時期に「たまたま外から入ってきた」と誤解されがちですが、室内で複数見つかる場合、すでに巣が成熟している可能性が高いです。羽アリは「繁殖のための引っ越し要員」であり、出たということは、コロニーが一定規模に達しているサインになり得ます。だからこそ、業者が最初に行う調査は、単に虫を探すのではなく、湿気・木材・侵入経路という三点セットの条件を読み解く作業になります。

放置のリスク:1週間後・1か月後に起きうることを時系列で想像する

「いま忙しいから来月でいいや」と先延ばしにした場合、何が怖いのか。まず1週間程度でも、床下に水分条件があり、食害が進行している家では、被害箇所が点から面に広がることがあります。特に束(床を支える柱)や大引(床下の横木)など、構造的に重要な部材が狙われていると、家の揺れや床鳴りが増えるように感じるケースがあります。

1か月を超えると、「見えないところ」での進行が蓄積して、結果として補修費が大きく膨らみやすいです。駆除費用そのものよりも、床の張り替え、土台交換、部分的なリフォームが必要になると、出費の桁が変わります。また、薬剤処理の前に雨が続いて床下が高湿になったり、換気が悪い季節に入ると、シロアリにとって居心地が良くなり、活動が長引くことがあります。

さらに厄介なのが、シロアリ被害はカビや腐朽菌と相性が良いことです。水漏れや結露があると木材が腐り、腐るとシロアリが入りやすくなり、シロアリが入ると木材が弱くなってさらに湿気が抜けにくくなる、という負の連鎖が起きます。だから「今すぐ来てもらうべきか」の判断は、単に虫の数の問題ではなく、家の環境条件の問題でもあります。

準備編:プロが選ぶ道具と環境づくり(当日、あなたが困らないための下準備)

シロアリ駆除の作業は、一般的に床下や水回り、玄関周辺、外周部など、家の要所を横断します。つまり、作業の品質は職人の腕だけでなく、作業しやすい環境が整っているかにも左右されます。ただし、住人が無理に片付けすぎて疲弊する必要はありません。ポイントは「必要なラインまで整える」ことです。

必須道具の詳説:業者側の装備と、住人側が用意すると良いもの

業者が持ち込む代表的な道具は、床下点検ライト、含水率計、打診棒、ファイバースコープ(内視鏡)、穿孔(穴あけ)用のドリル、注入ガン、散布器、養生資材、薬剤、そして清掃機材です。ここで大事なのは、業者が「何を持ってくるか」よりも、その道具を使って何を確認するかです。例えば含水率計は、湿気が多い木材を見つけ出すために使われますが、数字が高い場所は侵入経路や水分原因の手がかりにもなります。

一方で、住人側が準備すると役立つのは、第一に、点検口周辺を照らすための簡易ライト(スマホライトでも可)です。第二に、床下点検口の上に荷物があるなら移動できる範囲で片付けることです。第三に、作業報告の写真を受け取る前提で、メモ帳やスマホのメモアプリを用意することです。100均グッズで代用できるものも多いですが、強くおすすめしないのは、素人が薬剤や防腐剤を当てずっぽうに塗ることです。薬剤の種類によっては素材を傷めたり、必要な場所に届かず「効いた気がする」だけで終わることがあります。

安全確保:養生、換気、服装、同席のコツ

シロアリ駆除では、床下作業や穿孔注入の際に粉じんが出たり、薬剤のにおいが一時的に出ることがあります。多くの業者は養生をしますが、住人としてできる安全策はあります。第一に、小さなお子さんやペットがいる場合、作業エリアへの立ち入りを避けられるよう、別室に移動スペースを確保します。第二に、薬剤処理の種類によっては換気が重要になるため、窓の開閉ができるようにしておきます。

また、立ち会いは「ずっと張り付く」必要はありませんが、要所だけ押さえると安心です。具体的には、点検結果の説明、作業前の範囲確認、作業後の報告と保証説明の三点は同席し、疑問点をその場で潰すのが賢いです。作業中は足元が汚れやすいので、スリッパより履きやすい室内履きが便利です。さらに、床下点検口周辺は土や木くずが出やすいので、気になる場合は古いタオルを敷くと、掃除が一気に楽になります。

実践編:シロアリ駆除業者は何をする?当日の流れを「実況中継」で理解する

ここからが本題です。業者の作業は会社ごとに呼び方が違っても、品質の高い現場ほど、流れは驚くほど共通しています。つまり、あなたが流れを知っているだけで、「これは丁寧」「これは端折っているかも」という見分けがしやすくなります。ここでは、典型的な流れを分解し、所要時間が増減する理由もセットで解説します。

【レベル1】初心者でも可能な初期対応(DIY):来てもらうまでに被害を広げない

「業者に頼む」と決めても、予約まで数日空くことは珍しくありません。その間にできることは、駆除そのものではなく、環境を悪化させないことです。第一に、床下換気口が塞がれているなら、可能な範囲で前を空けます。段ボールや植木鉢がぴったり当たっているだけで、湿気が抜けにくくなるからです。

第二に、水回りで「じんわり濡れる」「床下収納の底が湿っぽい」などの兆候があれば、配管の結露や水漏れを疑います。具体的には、夜に水を使っていない状態で、翌朝に床下収納の内側が濡れているかを確認します。濡れていたら、換気しつつ写真に残します。第三に、羽アリを見つけた場合は、潰して終わりにせず、見つけた場所・時間・数をメモし、可能なら写真を撮ります。これは業者の調査精度を上げ、不要な工事提案を避ける材料になります。

ただし、ここで注意が必要です。殺虫剤を大量に噴霧して「いなくなった」と感じても、巣や床下の本体には届かないことが多いです。しかも、刺激を与えるとシロアリが別ルートへ移動し、被害範囲が読みにくくなるケースがあります。DIYの目的は「退治」ではなく「記録と環境の悪化防止」だと割り切るのが、結果的に最短で解決します。

DIYでやってはいけないNG例:良かれと思って逆効果になりやすいこと

よくある失敗が、床下点検口から素手で入り、木材に防腐剤を塗る行為です。床下は釘や金具で怪我をしやすく、湿気とカビで衛生的にもおすすめしません。また、市販スプレーは対象がはっきりしないと無駄打ちになり、薬剤のにおいが室内に残って生活ストレスになります。さらに、被害木材を無理に剥がしてしまうと、構造材を傷め、補修が大きくなることがあります。記録と養生に徹し、判断はプロに渡すのが賢明です。

【レベル2】専用道具を使った本格的な対処:業者の標準工程の中身

工程1:到着〜ヒアリング(10〜20分)

作業の良し悪しは、意外にも最初の会話で見えます。質の高い業者は、単に「羽アリ出ましたか?」だけで終わらず、家の築年数、過去の防蟻歴、雨漏りや水漏れの有無、床鳴りや沈みの有無、庭木やウッドデッキの状況まで聞きます。なぜなら、シロアリは家の中だけの問題ではなく、外周環境と湿気条件に大きく左右されるからです。

このとき、あなたが事前に撮った写真やメモが効きます。「いつ・どこで・どれくらい」を示せると、調査の当てがつき、床下を無駄に長く探し回らずに済みます。結果的に、不要な追加費用の話が出にくくなることもあります。

工程2:目視点検と打診・計測(30〜90分)

点検はまず、室内の被害疑い箇所を目視し、叩いて音を確認し、必要に応じて含水率を測ります。空洞音がしたり、表面がわずかに波打っていると、内部が食われている可能性があります。ただし、見た目だけで断定はしません。プロは「被害そのもの」と「被害を生む条件」をセットで探します。

次に床下点検です。床下に入る場合、まずライトで全体を照らし、蟻道、食害、湿気、カビ、木材の腐朽、配管の水滴を確認します。ここで重要なのは、点検が「虫探し」ではなく「ルートの特定」であることです。蟻道が見つかったら、その起点が土壌なのか、基礎のクラックなのか、配管貫通部なのかを追います。つまり、侵入経路が説明できる業者は信頼度が上がりやすいです。

所要時間が大きくぶれるのは、この床下条件で決まります。点検口が狭い、床下高が低い、収納が多い、基礎の形が複雑、湿気で視界が悪い、といった条件が重なるほど時間は伸びます。一方で、点検が極端に短いのに「全部やりましょう」となる場合は、説明材料が不足している可能性があるため、報告写真や根拠を求めるのが安心です。

工程3:施工計画の説明と見積もり確定(15〜30分)

点検後、良い業者ほど「今日は何がわかったか」を順序立てて説明します。具体的には、被害範囲、侵入経路の推定、湿気要因、そして施工範囲と工法です。ここで、あなたが確認すべき重要ポイントは、施工範囲が家全体なのか、局所なのか、そして、工法が土壌処理中心か、木部処理中心か、両方かです。多くのケースで、土壌と木部はセットで考えるのが一般的ですが、家の状況で最適解は変わります。

もしその場で契約を迫られて不安なら、決める前に「報告写真と見積書を電子でください」と伝え、冷静に検討するのも有効です。誠実な業者ほど、急かさずに根拠を残してくれます。

工程4:養生と作業導線の確保(10〜30分)

施工が決まったら、養生に入ります。床下点検口の周辺、廊下、作業で通る動線に養生シートを敷き、粉じんや土が室内に広がるのを防ぎます。ここが雑だと、作業後の掃除が大変になりますし、住人のストレスが上がります。つまり、養生は「気遣い」ではなく、作業品質を安定させる工程です。

また、薬剤を扱う場合、換気の説明があるかも重要です。「何時間は換気してください」「小さなお子さんは施工部屋に入らないでください」といった具体的な指示が出る業者は、リスク説明ができていると判断しやすいです。

工程5:薬剤処理(駆除の本体)— 土壌処理と木部処理の違い

シロアリ駆除の本体は、一般に土壌処理と木部処理に分かれます。土壌処理は、床下の土壌面に薬剤を散布・処理し、侵入を防ぐバリアを作る考え方です。一方、木部処理は、被害やリスクがある木材に薬剤を塗布・注入して、シロアリの活動を止める考え方です。どちらか片方だけで十分とは限らず、家の侵入経路と被害範囲で組み立てます。

例えば、床下の土壌面が露出している一般的な戸建てでは、土壌処理が中心になることが多いです。しかし、基礎断熱などで床下環境が特殊だったり、木部の局所被害が顕著な場合は、木部注入の比重が上がることがあります。だから、見積もりの「薬剤散布一式」だけで判断せず、どこに・どんな方法で・どれだけの量を扱うのかを確認するのが重要です。

穿孔注入(穴あけ注入)が入る理由:見た目は怖いが、必要なケースがある

「壁や木材に穴を開ける」と聞くと不安になりますが、木部内部や壁内に活動が疑われる場合、表面塗布だけでは届きません。そこで、細い穴を開けて薬剤を注入する「穿孔注入」を行うことがあります。ここで押さえたいのは、穴あけが多いほど良いのではなく、根拠が明確な場所に必要最小限が望ましいということです。良い業者は、穴の位置、数、補修方法(パテ埋めなど)を説明します。

工程6:後片付けと最終確認(15〜40分)

作業が終わると、養生を撤去し、粉じんや土を清掃し、施工箇所の目視確認をします。このとき、床下点検口の周辺が土で汚れていないか、穿孔した部分が適切に補修されているか、薬剤のにおいが強い場合の換気指示があるかを確認します。ここで雑だと、「施工は良かったのに印象が悪い」になりがちなので、気になる場合はその場で言って構いません。

工程7:報告書・写真提示と保証説明(15〜30分)

最終的に、施工範囲、使用薬剤、処理方法、点検結果、今後の注意点を説明されます。特に重要なのは、施工前後の写真です。口頭だけでは後から忘れますし、売却や保険、将来の点検で資料価値が高いからです。写真があると、あなた自身も「どこがどう変わったか」を理解できます。

保証についても、「何年保証」だけで判断しないのがコツです。再発時の対応条件、点検の有無、保証が適用されないケース(例えば大規模な改修で床下環境が変わった場合など)を確認します。説明が曖昧なら、書面で確認できる形にしておくのが安全です。

所要時間の目安:どれくらい家が“止まる”のかを具体的に

シロアリ駆除の所要時間は「点検だけ」「駆除施工」「予防施工」で変わります。一般的には、点検のみなら1〜2時間程度が一つの目安になりやすいです。ただし、床下条件が厳しいと2〜3時間に伸びることもあります。施工を含む場合は、半日(3〜5時間)から1日(5〜8時間)を見ておくと、予定が組みやすいです。

ここで大事なのは、時間が長いほど良いという単純な話ではなく、必要な工程を省いていないかです。例えば、床下に入るだけ入って「はい終わり」では、侵入経路の説明や湿気原因の示唆が薄くなります。一方で、必要以上に長引く場合は、作業手順が整理されていない可能性もあります。だから、当日は「何時頃にどこまで終わる予定か」という工程感を最初に確認すると、ストレスが減ります。

【ケーススタディ】住居環境別の注意点:戸建てとマンション・賃貸で何が違う?

戸建ての場合:床下環境が“原因”になっていることが多い

戸建ては床下にアクセスできる分、調査と施工の自由度が高い一方で、湿気や外周環境の影響を強く受けます。庭の植栽が基礎に近い、雨水が溜まりやすい、ウッドデッキが壁に密着している、換気口が塞がれている、といった条件があると、駆除後に再び環境が整ってしまう可能性があります。だから、戸建てでは「駆除したら終わり」ではなく、再発しにくい環境づくりまで提案できる業者が望ましいです。

マンション・アパート(賃貸)の場合:管理規約と責任範囲が最大の論点

マンションや賃貸では、そもそも床下に自由に入れなかったり、専有部と共用部の境界が絡みます。シロアリ被害が疑われる場所が専有部の床材なのか、建物躯体側なのかで、対応主体が変わることがあります。だから、賃貸ならまず管理会社・大家への連絡が優先です。勝手に穿孔や薬剤処理をすると、原状回復トラブルになる可能性があります。

また、集合住宅では上下左右に住戸があるため、薬剤のにおいや作業音の配慮が必要です。業者から近隣配慮の説明があるか、施工時間帯が適切か、養生が徹底されるかは、工事の満足度に直結します。

比較検討:自力 vs プロ依頼の最終判断(ここが境界線)

結論から言うと、シロアリに関しては「自力で駆除して完了」まで持っていくのは現実的に難しいことが多いです。なぜなら、巣が見えない場所にあり、侵入経路と環境条件を同時に潰さないと、再発しやすいからです。では、どこまで自分でやってOKで、どこからプロなのか。境界線を具体化します。

第一に、自分でできるのは、羽アリや被害疑いの記録、床下の換気口周辺の片付け、水漏れ・結露の兆候確認、そして管理会社への連絡と情報整理です。第二に、床が沈む被害が構造部材に及んでいそう蟻道がある床下が高湿過去に駆除歴があるのに再発といった条件があるなら、これはプロ領域に入ります。理由は、補修・駆除・環境改善の組み合わせが必要になり、判断を誤ると費用が膨らむからです。

比較項目DIY(自分で)業者依頼(プロ)
できる範囲記録、簡易点検、環境悪化の防止。駆除は限定的。侵入経路特定、床下調査、土壌・木部処理、報告書、保証。
費用感道具・薬剤で数千〜数万円。ただし再発で二重出費になりやすい。数万円〜十数万円以上。建物条件で変動。保証や点検込みのことも。
時間調べる時間がかかり、正解に辿りつくまで長期化しがち。点検1〜2時間、施工半日〜1日が目安。短期決着しやすい。
リスク巣に届かず再発、刺激で移動、薬剤の扱いミス、怪我。業者選定ミスで内容が薄い、過剰提案、保証条件の見落とし。
メリットすぐ始められる。記録が揃うと交渉材料になる。根拠に基づく施工、写真報告、再発時の相談窓口が持てる。

この表の読み方のコツは、「費用」だけでなく「二重出費の確率」を見ることです。DIYで一度出したお金が無駄になるというより、時間をかけたのに再発して結局プロ依頼になり、結果的にトータルが高くなるケースが少なくありません。一方で、プロ依頼でも業者選びを誤ると、施工内容が薄くて再発することがあります。だからこそ、この記事で解説した作業の流れを知り、工程と根拠を説明できる業者を選ぶことが重要です。

予防とメンテナンス:二度と繰り返さないために(生活に溶け込む習慣化)

シロアリ予防は、特別なことを毎日する必要はありません。むしろ、続かない大掃除より、小さな点検を定期化する方が効きます。例えば、月に一度、床下収納の中を開けて湿気やカビ臭を確認します。さらに、浴室・洗面の床まわりで「いつもより乾きが遅い」と感じたら、タオルで拭いて1時間後に触り、再び湿っていないかチェックします。こうした“五感の点検”が早期発見につながります。

また、外周環境も大切です。家の基礎に土が寄っていたり、落ち葉が溜まって湿っていると、シロアリにとって隠れ家になります。雨の翌日に、基礎沿いに水たまりができていないかを見て、できているなら排水や土の勾配を見直す価値があります。さらに、庭に木材(古い板、枕木、廃材)が放置されていると、そこで増えたシロアリが家に向かうことがあります。不要な木材は片付けるだけでも、リスクは下がりやすいです。

予防グッズとしては、床下調湿材や換気改善の提案が出ることがありますが、これも「とりあえず入れる」ではなく、床下の含水率や換気状況の根拠があるかを見ます。プロの裏技として一つ共有すると、現場でベテランほど最初に見るのは「被害木材」よりも、水の痕跡です。水の痕跡を潰せないと、駆除しても条件が残り、再発しやすいからです。あなたも同じ視点で、水回りと床下収納の“湿り気”を観察してみてください。

Q&A:よくある質問とマニアックな疑問

Q1. 作業中、家にいても大丈夫?外出した方がいい?

多くのケースでは在宅でも問題ないことが多いです。ただし、穿孔注入で粉じんが出る、薬剤のにおいが気になる、小さなお子さんやペットがいる、という条件があるなら、別室で過ごす・短時間外出するなどの工夫が安心です。重要なのは「ずっと立ち会う」ことではなく、点検結果の説明と作業前後の確認に同席することです。

Q2. 薬剤のにおいはどのくらい残る?

工法や薬剤で差があります。においが強く感じる場合でも、換気を指示されることが一般的です。ここで曖昧な説明しかない場合は、使用薬剤名と換気時間の目安を確認すると安心です。においが気になる体質の方は、事前に伝えておくと対応してくれる業者もあります。

Q3. 羽アリが1匹だけ出た。もう業者を呼ぶべき?

1匹だけなら、偶然の可能性もゼロではありません。ただし、同じ部屋で数日続けて見つかる、窓際に複数落ちている、夜に室内灯へ集まる、という状況なら、発生源が近い可能性が高まります。まずは「場所・時間・数」を記録し、増えるようなら点検を検討するのが現実的です。

Q4. 点検だけでも頼める?しつこく契約を迫られない?

点検のみを受ける業者は多いです。契約を迫られるかどうかは会社体質にもよりますが、最初に「今日は点検と報告までで、持ち帰って検討します」と宣言し、報告写真と見積書をもらう姿勢が有効です。根拠を示せる業者ほど、急かさずに説明を整えてくれます。

Q5. 駆除と予防は同じ?やる内容は変わる?

考え方が少し違います。駆除は現在の活動を止め、侵入ルートを断つことが主目的になりやすいです。予防はそもそも侵入しにくい状態を維持するためのバリアづくりが中心です。実際には工程が重なる部分もありますが、点検で被害がない場合は、施工範囲や注入の有無が変わることがあります。

Q6. 古い家ほど時間がかかる?

古い家は床下の構造が複雑だったり、増改築でルートが入り組んでいることがあり、点検に時間がかかることがあります。また、湿気や腐朽のダメージが重なっていると、駆除と同時に補修の検討が必要になるため、説明時間も増えがちです。

Q7. シロアリ駆除の後、すぐ掃除していい?

基本的には、業者の指示に従うのが安全です。養生撤去後に軽く拭き掃除する程度なら問題が少ないことが多いですが、穿孔箇所の補修材が乾く前に強くこすると剥がれることがあります。気になる場合は「どこは触らない方がいいか」をその場で確認すると安心です。

Q8. 追加料金が出やすいのはどんなとき?

床下に入れないほど収納が塞がっていた、点検口がなく新設が必要、想定外の高湿で追加の換気・調湿提案が必要、被害が構造部材に及び補修が絡む、などの条件で増額しやすいです。ただし、追加が妥当かどうかは「根拠が説明され、選択肢が提示されるか」で見極められます。

Q9. 保証がある業者の方が安心?

保証は安心材料になりやすいですが、年数だけで判断すると見落としが出ます。再発時の具体的対応、点検の有無、適用外条件、連絡手段などを確認した上で、あなたの生活スタイルに合うかを見ます。保証がなくても、施工根拠と報告が丁寧な業者は信頼できる場合があります。

Q10. 業者の作業が短すぎる気がしたら、何を聞けばいい?

遠慮せず、「侵入経路はどこだと考えていますか」「床下で確認した写真を見せてください」「今回は土壌処理と木部処理のどちらが中心ですか」「保証の適用条件は何ですか」と聞くと良いです。質問に対して筋道立てて答えられるかどうかが、品質の見極めになります。

まとめ:当日の流れを知ることが、業者選びと再発防止の最短ルート

シロアリ駆除業者の仕事は、薬剤を撒くだけではありません。点検で侵入経路と湿気条件を読み解き土壌と木部を適切に処理し報告と保証で再発時の道筋を残すところまでが一連です。所要時間は点検1〜2時間、施工半日〜1日が目安になりやすいですが、家の条件で前後します。

そして、「安い」「早い」だけで決めると、必要な工程が抜けて再発し、結局二度手間になる可能性があります。逆に、工程と根拠が整理された説明を受けられれば、あなたは落ち着いて判断でき、当日も不安が減ります。焦る気持ちは当然です。しかし、情報を握ったあなたは、もう振り回される側ではありません。

Next Step: まずやるべき最初の1アクションは、「症状の場所・時間・数をメモし、写真を3枚撮る」ことです。床の沈み、羽アリ、蟻道らしき筋、水回りの湿り気。この3枚が揃うだけで、点検の精度が上がり、見積もりの納得度も上がります。そこから、工程を説明できる業者へ点検依頼を進めてください。

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