給湯器のリモコンに、見慣れない英数字。ピッ、ピッという音。お湯が出ない。あるいは、ぬるいまま。そんな状況で「とりあえず電源を入れ直してみよう」「何回かボタンを押せば戻るかも」と手が動いてしまう気持ち、痛いほどわかります。
ただ、給湯器のエラー表示は、いわば機械が自分の身を守るために出している“赤信号”です。誤ったリセットや放置は、復旧を遅らせるだけでなく、ガス・CO(一酸化炭素)・漏電・水漏れなど、住まいの安全に関わるトラブルへ発展する可能性があります。
そこでこの記事では、まず最初に「今すぐ止めるべきケース」と「落ち着いて確認できるケース」を分け、次にエラーの仕組みを“機械の目線”で解剖します。そのうえで、初心者でも安全にできる切り分けと初期対応、専用道具や知識が必要な本格対処、そして最後に「自力でここまで」「ここから先はプロ」まで、迷いが残らない基準まで一気通貫でまとめます。
※この記事は、住まい・生活トラブル分野の専門的知見を持つライターが、製品仕様や一般的な施工基準に基づき執筆しました。状況により専門業者の判断が必要な場合があります。
導入:まず最初に結論|今すぐ止めるべきケース/落ち着いて確認できるケース
最初に、あなたの安全を最優先にします。給湯器のエラーは内容が多岐にわたりますが、体感できる“危険サイン”があるかどうかで初動が変わります。
第一に、ガス臭い(玉ねぎが腐ったようなにおい)、または排気がいつもより刺激臭(目や喉がツンとする)、さらに給湯器本体の周辺が熱い・焦げ臭い・煙っぽい、このいずれかがある場合は、リセットより先に使用中止が基本です。換気をし、可能ならガス栓を閉め、屋外設置なら近づき過ぎず、集合住宅なら管理会社にも連絡を検討してください。
第二に、危険サインがなく、単純に「お湯が出ない/ぬるい/途中で止まる」「リモコンにエラーが出た」程度であれば、落ち着いて切り分けができます。この場合でも、闇雲にボタン連打は避け、この記事の順番で確認すれば、原因が“生活側”なのか“機械側”なのかが見えてきます。
基礎知識(トラブルのメカニズム解剖)|給湯器がエラーを出す本当の理由
給湯器は「点火→燃焼→熱交換→安全監視」を毎秒くり返している
給湯器は、蛇口戸(じゃばら)や配管から水が入ってきた瞬間に、内部で点火し、燃焼の熱で熱交換器を温め、その熱で水をお湯にします。ここで重要なのが、給湯器は“燃やして終わり”ではなく、燃焼が安定しているか、排気が詰まっていないか、炎が消えていないか、水が流れているか、温度が上がり過ぎていないかを、複数のセンサーでずっと監視している点です。
つまり、エラー表示とはセンサーが一定の条件を超えたことを検知し、危険回避のために停止した結果です。ここを理解すると、「なぜリセットが効く場合と効かない場合があるのか」がスッと腹落ちします。
「一時的な誤検知」と「本当に危険だから止まった」は別物
給湯器のエラーには、大きく二種類あります。第一に、瞬間的な電圧低下や風の巻き込みなどで一時的に条件を外れ、停止しただけのケースです。これは電源再投入で復旧する可能性があります。第二に、熱交換器の詰まり、ファン不良、点火系の劣化、ガス量異常、凍結、水圧不足など、原因が“継続して存在する”ケースです。こちらは何度リセットしても再発し、むしろ繰り返すことで部品や基板に負荷をかけることがあります。
多くの現場では、リセットは「情報を整理するための一回だけ」が推奨されます。直らなければ、原因側を潰す。これが最短ルートです。
放置のリスク:1週間後/1か月後に起きやすいこと
では、エラーが出ても「また今度」と放置するとどうなるでしょうか。まず1週間程度の短期では、生活上の不便に加え、「騙し騙し使う」ことで停止と再点火を繰り返し、点火部やファン、基板にストレスが積み重なります。特に冬場は、点火回数が増えるほど結露や凍結に弱くなることがあり、突然完全停止に至ることがあります。
1か月単位で放置すると、さらに現実的な損失が増えます。排気経路の汚れが進んで燃焼効率が下がり、ガス使用量が増える可能性があります。また、微小な水漏れが原因だった場合、給湯器内部の電装部に水分が回り、基板故障へ進行することがあります。基板は修理費が跳ねやすく、結果として「修理で済んだはずが買い替え」という展開になりがちです。
だからこそ、エラー表示は“今のうちに切り分ければ小さく済む合図”として扱うのが、住まいのトラブル対応ではいちばん賢い判断になります。
準備編(プロが選ぶ道具と環境づくり)|安全を確保してから触る
まず「命に関わる条件」を避ける:換気・火気・濡れ手は厳禁
給湯器の周辺作業で最優先すべきは、換気と火気管理です。室内リモコンの確認でも、もしガス臭や排気臭を感じるなら、窓を開け、換気扇を回し、タバコやライターなど火気は遠ざけてください。さらに、濡れた手でコンセントやブレーカーに触れるのは避けます。給湯器は水と電気が近い機械なので、ここでの一手間が事故リスクを大きく下げます。
道具は「見る・記録する・軽く掃除する」が中心
このトラブルは、力仕事よりも観察力がものを言います。第一に、スマホが最重要です。エラーコード、表示の点滅、時刻、操作手順を写真や動画に残すだけで、後の相談が一気にスムーズになります。第二に、懐中電灯(スマホライトでも代用可)です。屋外給湯器の銘板や配管の水滴、排気口周辺の汚れ確認に役立ちます。
第三に、雑巾やキッチンペーパーです。水滴がある場合、拭いて再度発生するかを見るだけで「結露なのか漏れなのか」の切り分けが進みます。ここで100均のマイクロファイバーでも問題ありませんが、給湯器の銘板や端子周りに毛羽が残る素材は避け、できれば使い捨てペーパーが安全です。
専用道具をむやみに買わない:テスター・圧力計は“プロの領域”
ネットには「テスターで電圧を測れ」「ガス圧を確認しろ」といった情報もあります。しかし、給湯器は機種・ガス種・配管条件で基準が異なり、測定自体も危険を伴います。ここは線引きを明確にします。一般家庭の切り分けは、表示・音・臭い・水滴・使用状況の変化を中心に行い、数値測定や分解はしない。これが失敗しない前提です。
実践編【レベル1】初心者でも可能な初期対応(DIY)|まずは「原因が生活側か」を潰す
実況:最初の5分でやること|エラーコードを“そのまま”記録する
ここからは手順を実況中継のように追います。まず、リモコンの表示を見て、エラーコードを正確にメモします。英数字の0とO、1とIが紛らわしい機種もあるので、スマホで画面を正面から撮影しておくのが確実です。次に、エラーが出た瞬間の状況を思い出します。蛇口はどこで使っていたか、追い焚き中だったか、浴室乾燥や床暖房と同時だったか。ここまでが“原因特定の材料”になります。
最初に疑うべきは「供給」:ガス・電気・水のどれが欠けたか
給湯器が止まる原因のうち、意外と多いのが「機械の故障ではなく、供給が一時的に欠けた」ケースです。第一に電気。停電やブレーカーの瞬断があると、基板が再起動に失敗してエラーが残ることがあります。家の照明は点いたか、電子レンジの時計がリセットされていないか、思い当たるだけでヒントになります。
第二にガス。コンロは点きますか。都市ガス・LPどちらでも、供給側の安全装置が働くと給湯器だけ先に止まるケースがあります。第三に水。断水や水圧低下、止水栓の半閉めは、給湯器に「水が流れていない」と誤認させる原因になります。特にマンションでは工事や貯水槽の影響で一時的に水圧が下がることがあります。
「リセット」は一回だけ:安全な電源リセット手順
次に、リセットの扱いです。多くの給湯器は、取扱説明書に「運転スイッチを切り、数秒待って入れ直す」「コンセントを抜いて数分待つ」といった復帰操作が書かれています。ただし、共通する考え方は同じで、“基板の一時的な状態を初期化する”ために行います。
手順はこうです。第一に、リモコンの運転ボタンを「切」にします。次に、蛇口を閉め、給湯器が燃焼していない状態にします。ここが重要で、燃焼中に電源を落とすとエラー履歴が残りやすいことがあります。そのうえで、壁コンセント式なら給湯器の電源プラグを抜き、90秒〜3分ほど待ちます。なぜ待つかというと、基板のコンデンサに残る電気が抜け、完全にリセット状態に近づくからです。待ち時間が短いと、体感として「全然変わらない」ことが起きます。
そして再投入後、蛇口を少しだけ開け、点火するかを確認します。ここで同じエラーが即座に再表示される場合は、原因が継続している可能性が高いので、リセットの連打はやめます。
やりがちNG:ボタン連打・追い焚き連発・高温設定で無理やり出す
焦るとやってしまうNGを、あえて言語化します。第一に、運転・決定・戻るなどを連打することです。操作を受け付けない状態でボタンを押し続けると、機種によっては入力待ち状態が残り、復旧操作が失敗しやすくなります。第二に、追い焚きを何度もかけることです。追い焚きは燃焼負荷が高く、循環不良やフィルター詰まりがあるとエラーが出やすくなります。
第三に、温度設定を一気に50℃以上に上げて「お湯が出ないなら熱くすれば」と試すことです。水量が少ない状態で高温要求をかけると過熱防止が働き、かえって停止することがあります。つまり、強引な操作は「原因がどれか」を曇らせ、修理の見立てを難しくします。
浴槽・台所・洗面で症状が違うなら「配管側」の可能性が上がる
切り分けのコツとして、場所ごとの症状比較があります。台所だけぬるいが浴室は正常、またはその逆という場合、給湯器本体よりも、混合水栓の不具合、止水栓、ストレーナー詰まり、サーモカートリッジの固着など、末端側の要因が疑われます。エラー表示が伴う場合でも、給湯器が「想定流量が取れない」と判断しているだけのことがあるため、場所の差は重要なヒントになります。
実践編【レベル2】専用道具を使った本格的な対処法|「原因が給湯器周辺にあるか」を見抜く
屋外機の目視チェック:排気口・吸気・周辺の障害物を確認する
ここからの作業は、屋外給湯器(壁掛け・据置)の場合を想定します。まず、給湯器の前面パネルを外すような分解はしません。見るべきは、外から見える範囲です。第一に排気口周辺。落ち葉、ビニール、雪、鳥の巣、段ボールなどが当たっていないか。排気が妨げられると、燃焼が不安定になり安全停止しやすくなります。
第二に、機器の周囲に物を寄せ過ぎていないかです。冬場に「凍結防止で毛布をかけた」「収納物を置いた」などは、意外と多い原因です。給湯器は空気の流れまで含めて設計されているので、塞ぐとエラーのきっかけになります。
凍結が疑わしいとき:やっていい解凍、やってはいけない解凍
冬の朝にお湯が出ず、エラーが出た場合、凍結の可能性があります。ここで重要なのは、凍結している配管に対し、急激な加熱をしないことです。ドライヤーや熱湯は、局所的に温度差を作り、配管やパッキンに負担をかけます。やってよいのは、気温が上がるのを待つ、風よけを改善する、室内側で水を少しずつ流し続けて自然解凍を促す、といった緩やかな方法です。
また、給湯器メーカーや施工条件によって凍結防止ヒーターの有無が異なります。凍結が頻発するなら、後述の予防策で「電源は抜かない」「水抜きの手順を覚える」といった運用設計が必要になります。
フィルター・ストレーナーの詰まり:家庭で触ってよい範囲を守る
給湯器周辺や各水栓には、砂や鉄粉を止めるストレーナーが付いていることがあります。ここが詰まると流量が落ち、点火条件を満たせずエラーに至ることがあります。ただし、扱いは慎重に。水栓側のストレーナーは比較的安全ですが、給湯器本体の配管周辺は止水手順を誤ると水漏れに直結します。
もしストレーナー清掃をするなら、必ず止水栓を閉め、下にタオルを敷き、外した部品の位置を写真で記録し、無理に締め込み過ぎないことが大切です。締め込み過ぎはパッキンを潰し、数日後に滲み出る“遅延水漏れ”を引き起こすことがあります。
プロの失敗談(独自性):原因は給湯器ではなく「止水栓の半閉め」だった
現場で意外とあるのが、給湯器の故障だと思い込んで依頼し、結果的に原因が別だったケースです。私が取材した中で印象的だったのは、リフォーム後にお湯が出ずエラーが頻発した事例です。機器交換まで見積もりが進みかけたのですが、最後に確認したところ、施工時に触れた止水栓が半分だけ閉まった状態のままでした。
水は出るが流量が不足し、給湯器が「燃焼させるには危険」と判断して停止していたわけです。止水栓を全開にした瞬間、あっけなく復旧しました。この話の教訓は、エラー表示が出ても“機器が悪い”と決めつけず、供給条件を一つずつ潰すことが、最短で財布も守るという点です。
【ケーススタディ】住居環境別の注意点|戸建てとマンション・賃貸で違う「責任範囲」と「リスク」
戸建て:屋外機の環境要因(落ち葉・雪・害虫)に強く影響される
戸建ては屋外設置が多く、季節要因が直撃します。秋は落ち葉、冬は積雪・凍結、春夏は虫の侵入や雑草の繁茂が、吸排気や配管に影響することがあります。つまり、エラーの原因が「機器の寿命」ではなく「置かれた環境」にあることが少なくありません。
一方で、自己所有のため、予防策(防雪フード、配管保温の改善など)を取りやすいのがメリットです。原因を突き止めたら、再発防止までセットで考えると、次の冬がぐっと楽になります。
マンション・アパート(賃貸):共有部・管理規約・責任分界が絡む
賃貸や分譲マンションでは、給湯器がベランダや共用廊下側に設置されていることが多く、管理規約の範囲が絡みます。例えば、排気の向き、周辺への設置物、作業時間、交換時の機種制限など、自由に触れないケースがあります。さらに、給湯器自体が「設備(貸主所有)」か「入居者所有」かで、費用負担や手配が変わります。
この場合、エラーが出たら、まず管理会社・大家に連絡し、所有区分を確認しつつ、この記事の切り分け情報(エラーコード、症状、発生条件)を整理して伝えると話が早いです。逆に、勝手に手配して作業してしまうと、費用回収が難しくなることがあります。
比較検討(自力 vs プロ依頼の最終判断)|境界線を“具体的な条件”で切る
ここまでは自分でやってOK:安全と情報整理の範囲
自力で行ってよいのは、第一にエラーコードの記録、第二に供給(電気・ガス・水)の確認、第三に安全な範囲での電源リセット(1回)、第四に屋外機周辺の障害物確認、第五に水滴の拭き取りと再発観察、ここまでです。ここは“機械を壊しにくい”領域で、なおかつ原因特定に直結します。
これ以上はプロ:ガス・分解・数値測定・内部部品の疑いがあるとき
一方、プロに切り替える境界線も明確です。第一に、ガス臭・排気臭・焦げ臭さ・煙など、危険サインがあるとき。第二に、同じエラーがリセット後すぐ戻るとき。第三に、給湯器本体から異音(カンカン、ゴロゴロ、金属が擦れる)がする、または漏水が疑われるとき。第四に、購入から年数が経ち、複数症状が重なっているときです。
ここから先は、資格や専門知識が前提になります。無理に触ると、事故リスクが上がるだけでなく、メーカー保証や保険の取り扱いに影響する可能性もあります。
| 比較項目 | DIY(自分で確認・初期対応) | 業者(メーカー/修理業者) |
|---|---|---|
| 費用感 | 基本0円(道具はスマホ・ライト・ペーパー程度)。ただし誤対応で悪化すると結果的に高くなる場合あり。 | 出張費・点検費がかかることが多い。部品交換が必要なら総額が増えるが、原因の確度が高い。 |
| 時間 | 最初の30分〜1時間で切り分け可能。復旧できるなら即日。 | 予約〜訪問まで時間がかかる場合あり。ただし現場で原因特定→処置が進む。 |
| リスク | 分解や測定に踏み込むと危険。情報が曖昧だと遠回り。 | 費用が発生するが、安全面の担保と再発リスクの低下が期待できる。 |
| メリット | 供給側の単純原因なら最速で復旧。相談時の材料も揃う。 | 資格領域の確認・部品交換・数値診断が可能。事故予防になる。 |
この表の読み方はシンプルです。まず「危険サインがあるか」を最上段の分岐として見ます。危険サインがあるなら、費用や時間より安全が優先で、業者が基本です。危険サインがなく、かつ供給側の確認やリセットで復旧するならDIYの価値が高いです。しかし、同じエラーが繰り返されるなら、DIYを続けるほど“取り返しのつかない悪化”が起きやすいのも事実です。
迷っている方へ。心理的には「もう少し粘れば直るかも」と思いがちですが、給湯器のエラーは粘りで直るというより、条件が整えば直り、整わなければ止まります。つまり、粘るなら「確認項目を増やす」方向に粘り、同じ操作を繰り返す方向には粘らない。これだけで判断が驚くほど楽になります。
予防とメンテナンス(二度と繰り返さないために)|エラーは“日常の小さな習慣”で減らせる
「ながら点検」:お湯を出したときの音・臭い・温度を毎回1秒だけ意識する
給湯器のトラブルは、前兆が微小なことが多いです。そこでおすすめなのが、毎回の入浴や食器洗いの最初の1秒だけ、音と臭いと温度の立ち上がりを意識する習慣です。点火のタイミングが遅い、排気がいつもより臭う、お湯になるまで時間がかかる。こうした変化を早期に気づければ、エラーとして止まる前に対処できます。
屋外機の周囲は“置かない・塞がない”が最大の予防
屋外給湯器の故障相談で頻繁にあるのが、「物を置いてしまう」「風よけをしたつもりで塞ぐ」です。ベランダに収納ケースを置く、目隠しパネルを近づける、冬に毛布をかける。気持ちはよくわかるのですが、給湯器は吸排気を前提に燃焼バランスを取っています。したがって、周囲は常に余白を確保し、“空気が流れる設計”を守るのが予防の王道です。
凍結対策:電源を抜かない、リモコンで停止しても通電は維持する
節電のつもりでコンセントを抜く方がいますが、凍結防止ヒーターが付いている機種は、通電がないと働きません。冬場に凍結が心配な地域では、「使わないときは運転オフ、でも通電は維持」が基本です。長期不在で水抜きをする場合は、機種ごとの手順があるので、取扱説明書の該当ページをスマホで撮っておき、毎年冬に見返せるようにしておくと失敗が減ります。
おすすめの予防グッズ:目立たない“保温・防雪”と記録
予防グッズは派手なものより、地味で効くものが良いです。配管の保温材(劣化した部分の巻き直し)、防雪フード(積雪地域)、排気の向きを変える適正部材などは、施工条件に合えば効果があります。ただし、部材選定を間違えると逆効果になることもあるため、迷うなら業者に現場条件を伝えて確認するのが安全です。
もう一つのおすすめは「記録」です。給湯器の型番・設置年月・エラー履歴(出た日付と状況)をメモアプリに残しておくと、いざというときの説明が一瞬で終わります。これは最も安く、最も効果の高い予防策と言えます。
Q&A(よくある質問とマニアックな疑問)
Q1. エラーコードが出たけど、しばらくすると消えます。放置していいですか?
一時的に消えるのは、条件がたまたま戻った可能性があります。ただ、再発するなら「原因が残っている」サインです。消えた時点で、エラーが出た条件(いつ、どの蛇口、追い焚き、外気温)をメモし、次に同じ条件で再現するかを確認すると、原因特定が進みます。
Q2. リセットを何回もしたら直りました。これで解決と言えますか?
たまたま復旧した可能性はありますが、何回も必要だった時点で「不安定要因」が残っていることが多いです。直った後こそ、給湯温度の立ち上がり、点火の音、排気臭の変化を意識して、再発傾向がないか1〜2週間だけ観察すると安心です。
Q3. エラーが出たままでも水は出ます。お湯が出ないだけなら使っても大丈夫?
水が出るのは当然で、給湯器は“お湯を作る部分”だけ止めることがあります。ただし、エラー内容によっては安全停止の理由が異なります。危険サイン(臭い・煙・異音)があるなら使用中止が基本で、そうでなくてもエラーが継続するなら早めの相談が無難です。
Q4. 台所は熱いのに、浴室がぬるい。給湯器の故障ですか?
このパターンは、水栓側(サーモ混合水栓のカートリッジ、ストレーナー、止水栓)の影響が強いことがあります。給湯器が原因なら全体に影響が出やすいので、場所差があるなら末端側も疑うのが合理的です。
Q5. 賃貸で給湯器にエラー。自分で業者を呼んでいいですか?
設備の所有区分によります。多くの賃貸では給湯器は貸主設備なので、まず管理会社・大家さんに連絡し、手配ルートを確認するのが安全です。勝手に手配すると費用負担で揉めることがあるため、エラーコードと症状を整理して伝えるのが先です。
Q6. 「お湯は出るけど追い焚きだけエラー」みたいなことは起きますか?
起きます。追い焚きは循環フィルター、配管、浴槽側の条件が絡み、給湯とは別のエラーが出ることがあります。浴槽の循環口フィルターの汚れや、循環経路の空気噛みなどが原因になるケースもあるため、追い焚きだけ症状が違うなら、その系統の切り分けが必要です。
Q7. 屋外機の周りに虫が多いのですが、エラーと関係ありますか?
直接の因果はケース次第ですが、虫が集まる環境は、吸気口周辺の汚れや湿気が溜まりやすいことがあります。給湯器の外装内部に侵入する例もゼロではありません。ただし、家庭での分解は避け、周囲の清掃と物の撤去、必要なら業者点検が安全です。
Q8. エラー表示が機種によって違うのはなぜ?共通の対処はありますか?
表示体系はメーカー・世代で異なります。ただ、共通の対処はあります。危険サインの有無を確認し、供給(電気・ガス・水)を潰し、リセットは一回だけ、そして再発ならプロへ。このフローは機種が違っても有効です。
Q9. エラーが出たとき、業者に伝えるべき情報は何ですか?
最重要は、エラーコード、発生した操作(給湯・追い焚き・暖房)、発生した場所(台所・浴室)、外気温(凍結が疑われる場合)、危険サイン(臭い・煙・異音)の有無、そして型番です。これが揃うと、訪問前に部品の当たりがつき、復旧が早くなることがあります。
Q10. 古い給湯器でエラーが頻発します。修理と買い替えはどう判断?
頻発しているなら、単発修理より“全体の老朽化”が疑われます。目安としては使用年数、修理費の見積もり、今後の部品供給、そして冬の停止リスクです。冬の停止は生活への打撃が大きいので、年数が進んでいるなら、修理見積もりと同時に買い替えの選択肢も並行検討すると後悔が減ります。
まとめ|エラー表示は「怖い表示」ではなく「正しい順番で解決できる表示」
給湯器のエラー表示が出ると、不安と焦りで頭が真っ白になりがちです。しかし、給湯器はセンサーで自分を守り、危険な条件から停止しているだけです。したがって、やるべきことは「闇雲な操作」ではなく、危険サインの確認、供給(電気・ガス・水)の切り分け、リセットは一回だけ、そして再発ならプロに切り替える、この順番です。
あなたが今困っているのは、知識不足ではなく、目の前の情報が多すぎて判断軸が揺らいでいるだけです。この記事の手順に沿って、まずは安全に状況を整理してください。整理ができれば、復旧できるか、依頼すべきかの答えは必ず見えてきます。
Next Step:今すぐ、リモコンのエラーコードをスマホで正面から撮影し、エラーが出たときの状況(どの蛇口、追い焚き、外気温、臭い・異音の有無)をメモしてください。これが、最短でお湯を取り戻す「最初の1アクション」です。

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