ナメクジが増える原因:発生源を断つための見直しポイント

「またいる…」。昨日拭いたはずの床に、今朝も銀色の筋が伸びている。夜、キッチンの隅にライトを当てると、ぬめっとした影がゆっくり動いていて、思わず声が出そうになる。ナメクジが増えると、ただ気持ち悪いだけでなく、衛生面の不安、床材のベタつき、家全体が“汚れている気がする”ストレスが積み上がりますよね。「掃除してもキリがない」「何を直せば増えなくなるの?」「自分でやるべきか、業者に頼むべきか判断したい」――その気持ち、痛いほどわかります。

ここで最初にお伝えしたいのは、ナメクジが増えるのは“あなたのせい”ではない、ということです。ナメクジは乾燥が苦手で、湿気と隠れ場所と餌が揃うと合理的に増えやすい生き物です。つまり、増えたときに見るべきなのは「退治の回数」ではなく、「発生源の条件」がどこで整ってしまっているかです。条件がわかれば、やることは明確になります。

まず、深刻度の判定をします。第一に、キッチンや食品保管エリアに繰り返し出る、粘液の筋が毎朝のように見える、短期間に複数匹見つかる場合は、同日中に発生源の点検まで進めることを推奨します。第二に、乳幼児やペットが床に触れやすい、寝室にまで出る、衛生不安で料理や家事が止まるほど辛い場合は、対策の優先度を上げ、必要ならプロ相談も視野に入れてください。第三に、雨の翌日に玄関周りで単発で見つかる程度なら、落ち着いて“見直しポイント”を順番に潰すことで改善できる可能性が高いです。

この記事では、ナメクジが増えるメカニズムを建物と生活動線の両面から解剖し、見直しポイントを「レベル別」に落とし込みます。具体的には、原因の特定、DIYでできる初期対応、ホームセンター材料で発生源を断つ本格対策、住まい形態別の注意点、そしてプロ依頼の判断基準まで、1本で網羅します。

※この記事は、住まい・生活トラブル分野の専門的知見を持つライターが、製品仕様や一般的な施工基準に基づき執筆しました。状況により専門業者の判断が必要な場合があります。

読み終えたときに、「うちが増える理由はこれだ」「今日から何を変えるべきか分かった」と確信し、最初の一歩を踏み出せる状態を目指します。ナメクジ問題は、原因が見えないほど不安が増します。しかし、原因が見えた瞬間から“怖さ”は“作業”に変わります。ここから一緒に整理していきましょう。

目次

トラブルのメカニズム解剖:ナメクジが増える「条件」の正体

ナメクジが増える三条件:湿気・隠れ場所・餌(そして夜間活動)

ナメクジが増える要因は、シンプルに言うと「生存に必要な条件が揃った」ことです。第一に湿気。ナメクジは乾燥に弱く、体表から水分が失われやすいので、湿った場所ほど活動しやすい。第二に隠れ場所。日中は直射日光や乾燥を避け、暗くて湿り気の残る場所に潜みます。第三に。屋外では植物や腐植、室内では生ゴミや野菜くず、ペットのフード残り、藻類など、環境によって食べ物が変わります。

ここに「夜間の行動」が加わります。夜は気温が下がり、湿度が上がりやすい。乾燥リスクが下がるため、ナメクジは探索範囲を広げます。つまり、夜に家の外周から室内へ近づく個体が増え、朝になると粘液の筋だけが残る。あなたが見ている“増えた”は、実は「夜に通る個体が増えた」「隠れ場所が固定化した」結果である可能性が高いのです。

増殖の仕組み:一度居心地が良いと“再現性”が生まれる

ナメクジは、条件が良い場所に繰り返し寄ってきます。粘液の筋は単なる跡ではなく、通行の結果かつ“ルートの記録”のように積み上がることがあります。もちろんナメクジが地図を持っているわけではありませんが、湿っていて安全、餌がある、隠れられるという条件が同じ場所で続くと、結果として出現の再現性が高まります。だから、退治してもまた出る。これはあなたの掃除が足りないのではなく、条件が変わっていないからです。

「家の中で増えてる?」の真実:多くは“外圧”と“持ち込み”の組み合わせ

ナメクジが室内で見つかると、「家の中で繁殖しているのでは?」と不安になります。可能性がゼロではありませんが、一般的には、室内は乾燥しやすく、餌も限られるため、屋外ほど増えやすい環境ではありません。現実的には、第一に屋外に隠れ場所があり夜に侵入する、第二に鉢植えや段ボール、野菜箱などの持ち込み、第三に室内の湿気が高い場所が“滞在拠点”になっている、この組み合わせで“増えたように見える”ことが多いです。

つまり、対策の主戦場は「室内の退治」だけでなく、外周環境の見直しと侵入口の遮断、そして持ち込み導線の管理です。ここがズレると、いつまでも“追いかけっこ”になります。

放置のリスク:1週間後・1ヶ月後の現実

放置すると、まず1週間後に起きやすいのは痕跡の蓄積です。床の隅、壁際、玄関たたき、洗面所のマット周辺に、毎朝のように粘液の筋が出ます。拭いてもまた出ると、「家が不潔になった気がする」という心理的ダメージが積み上がります。

次に1ヶ月後、湿気の条件が続くと、隠れ場所が固定化し、出現が“日常”になります。具体的には、植木鉢の下、室外機の裏、基礎のくぼみ、ベランダ排水口の落ち葉溜まり、キッチン下の結露した配管周辺などです。さらに、湿気が原因でカビや小虫が増えると、衛生ストレスが増幅します。ナメクジ問題は、生活の質をじわじわ削るタイプのトラブルです。だから、早めに「条件の見直し」に着手する価値があります。

プロが選ぶ道具と環境づくり:発生源特定のための“準備”が9割

必須道具:ライト、手袋、清掃、そして「記録」

発生源を断つには、まず“どこで条件が揃っているか”を見つける必要があります。ここで必須なのがLEDライトです。粘液の筋は、光を低い角度から当てると反射して見えやすくなります。次に手袋は使い捨てのニトリルが扱いやすいです。軍手は粘液が絡み、洗ってもヌルつきが残ることがあります。

清掃道具は、乾いたペーパー、ウエス、中性洗剤、バケツ、そして可能ならアルコール(脱脂用)があると、跡を確実に落とせます。さらに重要なのが「記録」です。スマホで、粘液の筋の方向、出現場所、外周の湿りポイントを写真に撮り、日付と天候をメモします。これをやると、原因が“感覚”ではなく“再現性”として見えてきます。プロの調査でも、記録がある現場は解決が早いです。

100均で代用できるもの・できないもの:お金をかける場所を間違えない

100均で十分なものは、養生シート、マスキングテープ、ブラシ、簡易ヘラ、手袋、ペーパー類などです。一方で、屋外の隙間を長期に塞ぐコーキング材は、耐候性が結果を左右するため、屋外対応品を選ぶ方が安心です。また、隙間テープも安価なものほど湿気で剥がれやすいことがあります。ここは「仮対策」と「長期対策」を分け、仮は安く早く、長期は品質重視という考え方が合理的です。

安全確保:滑り・薬剤・誤食を“先に潰す”

ナメクジ対策で多い事故は、粘液で滑って転ぶことです。床が濡れている、粘液が伸びている状態で歩き回ると危険なので、作業は明るい時間帯を基本にし、粘液跡は見つけ次第、動線を確保するように先に処理します。

薬剤を使う場合は、換気と誤食対策が最優先です。ペットや小さなお子さんがいる家庭は、置き型の誘引剤を使う前に「絶対に触れない場所があるか」を現実的に考えます。無理なら、物理封鎖と環境改善に寄せた方が安全です。

【レベル1】初心者でも可能な初期対応(DIY):今夜から“増え方”を止める

実況中継:今夜やるべき順番は「回収→清掃→乾燥→仮封鎖」

最初に、目の前にいる個体はトングで回収し、ビニール袋に入れて密封します。床で潰すと粘液が広がり、掃除が長引きます。回収後、粘液の筋をライトで追い、床すれすれに光を当てて反射を見ます。筋が壁際に集まるなら、巾木の下、配管の裏、ドア枠の角が怪しい。筋が一点に収束するなら、その周辺に隠れ場所や侵入口がある可能性が上がります。

次に清掃です。水拭きだけだと膜が伸びて残りやすいので、まず乾いたペーパーで“すくい取る”ように拭きます。その後、中性洗剤で拭き、最後に水拭きで洗剤を落とします。ここで大切なのは、拭いた後に5〜10分だけ扇風機や換気で乾燥させることです。ナメクジは湿気に寄ってくるので、拭いた直後の濡れた床は逆に“呼び水”になりかねません。

塩は基本NG、その理由:退治できても“条件”が悪化することがある

塩で退治する方法は知られていますが、室内では慎重です。第一に床材や金属の傷み、白い跡が残る可能性があります。第二に溶けた粘液と混ざって掃除が難しくなり、薄いベタつきが残ることがあります。第三にペットがいる環境では誤食の心配も出ます。短期的に倒せても、後処理で生活のストレスが増える可能性があるため、レベル1では「回収して密封」「粘液を確実に除去」「乾燥を作る」を優先した方が再現性が高いです。

今夜の仮バリア:乾燥が前提。タオル封鎖と通路の整理

今夜の再遭遇を減らすなら、ドア下の隙間をタオルで仮封鎖し、床に物を置かない状態を作ります。床に段ボールや布類があると、湿気が溜まり、隠れ場所が増えます。特に洗面所のマットは、夜だけ立てかけて乾かすと効果が出やすいです。

また、キッチンで増える場合は、生ゴミのフタを確実に閉め、排水口のゴミ受けを洗い、シンク下の水滴を拭き取ります。ナメクジが“餌になる匂い”に寄る可能性を下げるわけです。ここまでやると、翌朝の粘液の筋が減ることがあり、原因推定の精度も上がります。

レベル1の“見直しポイント”診断:あなたの家が増えやすいサイン

増えやすい家には共通点が出ます。例えば、朝に窓や床が結露っぽい、風通しが悪い、水回りのマットやタオルが乾かない、ベランダ排水口に落ち葉が溜まりやすい、玄関たたきが雨で湿りやすい。こうしたサインが複数当てはまる場合、発生源は「特定の穴」だけでなく、湿気条件そのものにある可能性が高いです。次のレベル2で“条件の根っこ”を断ちます。

【レベル2】専用道具を使った本格的な対処法:発生源を断つための見直しポイント

見直しポイント1:外周1mの「湿りの溜まり場」を消す

ナメクジが増えるとき、室内を頑張るほど疲れます。しかし、根っこに近いのは屋外です。ナメクジは日中、直射日光を避けて湿った影に潜み、夜に動きます。だから、家の外周1mに、湿って暗い“避難所”が多いと、夜に家へ向かう個体が増えやすい。

具体的には、壁際の植木鉢、プランター受け皿、レンガや石、木材、放置した段ボール、落ち葉の堆積が要注意です。これらは湿気を抱え、影を作り、ナメクジの隠れ場所になります。対策は、壁際から少し離す、地面に直置きしない、受け皿の水を毎回捨てる、落ち葉は溜めない。地味ですが、侵入圧が下がりやすい王道です。

見直しポイント2:ベランダ排水口と雨樋周りを整える

ベランダ排水口に落ち葉が溜まると、湿った有機物の溜まり場になります。ナメクジの隠れ場所にも餌場にもなりやすい。そして排水が悪くなると水が溜まり、湿気条件がさらに強まります。つまり、排水口の掃除は“発生源を断つ”のど真ん中です。

掃除は、まず落ち葉や髪の毛を取り、ブラシでぬめりを落とし、最後に水で流します。このとき、流れが悪いなら排水経路に詰まりがある可能性があるので、無理に押し込まず、状況に応じて専門業者の相談も視野に入れます。水が溜まる状態を放置すると、ナメクジだけでなく別のトラブルの火種になります。

見直しポイント3:侵入口(低い位置の隙間)を“外→内”で塞ぐ

ナメクジが増えたときに見直すべき侵入口は、基本的に低い位置です。玄関ドア下、勝手口、サッシの下端、基礎と外壁の取り合い、配管貫通部などが候補になります。ポイントは、室内で塞ぐ前に、外で入口を止める意識を持つことです。室内で塞いでも外に隙間が残ると、外壁内や床下に入り込む余地が残り、別の出口を探される可能性があります。

配管貫通部は、防虫パテで穴の奥まで詰めて形を作り、必要に応じてコーキングで表面を保護すると長持ちしやすい。玄関ドア下は、ドア下ブラシ(ドアスイープ)や隙間テープで風通しを弱める。サッシはモヘアが劣化していないか確認し、必要なら交換します。ここで塞ぎすぎて通気を止めると結露が増える可能性があるため、「不要な隙間を潰し、必要な通気は残す」という線引きが重要です。

見直しポイント4:水回りの“乾かし方”を変える(換気の時間設計)

水回りが増殖条件を作ると、侵入を塞いでも“滞在拠点”が残りやすいです。見直すべきは、換気扇を回すかどうかではなく、何分回すかです。例えば、入浴後に換気扇を回していても、2時間で止めると夜中に再び湿度が上がることがあります。状況によっては、就寝前まで回した方が翌朝の結露が減るケースがあります。

洗面所は、マットを乾かす、洗濯機パン周りの水滴を拭く、洗面台の下に除湿剤や小型の吸湿材を置くなど、湿りを残さない工夫が効きます。キッチンは、食器の水切りを溜めっぱなしにせず、夜にシンク周りを乾拭きしてから寝るだけでも、夜間の湿気条件が崩れます。

見直しポイント5:餌(有機物)と匂いの管理。生ゴミ・ペットフード・掃除残し

ナメクジの餌は植物だけではありません。室内では、生ゴミの汁、野菜の皮、果物の残り香、ペットフードの食べ残し、排水口のぬめりなどが“寄る理由”になり得ます。食べ物を完全に無くすのは難しいですが、ポイントは「夜に残さない」ことです。ナメクジの活動時間に条件を整えなければ、遭遇率が下がりやすい。

例えば、生ゴミは夜までに捨てるか、密閉できる容器に入れて冷凍する方法もあります。これは家庭によって向き不向きがありますが、夏場に臭いが出にくく、ナメクジだけでなくコバエ対策にも効くことがあります。ペットフードは食べ終わったら片付け、皿の周りをサッと拭く。排水口は週に一度、ゴミ受けとトラップ周りを洗剤で洗う。この積み重ねが、餌条件を崩します。

見直しポイント6:持ち込み導線の遮断(鉢植え・段ボール・野菜箱)

増える原因として意外に多いのが、持ち込みです。鉢植えの下、受け皿の裏、湿った培養土の表面、段ボールの波の隙間、野菜箱の底。ここに潜んだまま室内に入ると、「侵入口を塞いだのに出る」状態になります。

見直しの具体策は、室内に入れる前にライトで裏側を確認し、受け皿の水を必ず捨て、土の表面を乾かす時間を作ることです。段ボールは床置きで保管せず、入ったら早めに処分する。どうしても保管するなら床から浮かせ、乾いた場所に限定します。ここを徹底すると、“原因不明の再発”が減ることがあります。

見直しポイント7:薬剤・忌避材の使い方。主役にしない、置き場所で効かせる

薬剤(誘引剤・駆除剤)は、条件を断つまでの補助輪として有効です。ただし、置く場所を間違えると「室内の近くに呼び込む」形になってしまう可能性があります。基本は屋外で侵入圧を下げる位置に置き、室内は物理封鎖と乾燥で勝つのが安定です。

また、銅テープや乾燥系の粉剤は、湿った場所では汚れやすく効果が落ちることがあります。つまり、どんなグッズも「湿気が残る状態」では成果が安定しにくい。グッズ選びも重要ですが、まず湿気条件の見直しが先です。

【ケーススタディ】住居環境別:戸建てと賃貸で“見直し優先度”が違う

戸建ての場合:庭・基礎・排水の三点セットが発生源になりやすい

戸建てで増える場合、外周環境が主因になりやすいです。雑草や落ち葉、植栽が密集して影が多い、基礎周りが常に湿っている、排水が悪く水たまりができる。こうした条件が揃うと、日中の隠れ場所が増え、夜に家に向かう個体が増える可能性が高まります。

見直しの優先度は、まず外周1mの整理、次に排水口と雨樋排水先の改善、そして侵入口の遮断です。特に壁際の鉢や資材は、移動させるだけで効果が出ることがあります。床下の湿気が強い場合は、通気が阻害されていないか、雨水が基礎に当たっていないかなど、湿気源から潰す発想が安全です。

マンション・アパート(賃貸)の場合:原状回復を守りながら「室内の条件」と「玄関」を固める

賃貸では、外壁加工や穴あけが難しい分、室内の条件見直しが主戦場です。配管貫通部を防虫パテで埋める、ドア下ブラシや隙間テープで玄関の隙間を減らす、ベランダ排水口を清掃し、排水を妨げない形でメッシュカバーを使う。これらは比較的可逆的で、効果も出やすい。

また、集合住宅は共用部が湿りやすく、そこから玄関周りに寄ってくるケースもあります。管理会社に相談する際は、「いつ」「どこで」「雨の翌日か」「粘液の跡がどの方向か」を具体的に伝えると、対応が前に進みやすいです。自己判断で換気口を塞ぐと換気不足になりやすいので、フィルター追加もやりすぎないバランスが大切です。

自力 vs プロ依頼の最終判断:費用より“再発率”と“負担”で決める

ここまでは自分でOK、ここからはプロの領域

自分でやって成果が出やすいのは、外周整理、排水口清掃、配管貫通部のパテ埋め、ドア下対策、換気習慣の見直しといった“定番の条件改善”です。これらは道具も少なく、再現性があります。一方で、短期間に再発が続く、外周の湿気が構造的に抜けない、基礎や外壁に劣化があり隙間が多い、排水不良で水が溜まる、こうした場合は、建物側の要因が絡みやすく、プロの点検と施工が効きやすい傾向があります。

さらに大切なのが、精神的負担です。ナメクジは命に直結しにくい一方、不快感と衛生不安が積み上がるタイプです。家事や睡眠に支障が出ているなら、早めにプロへ寄せる方が“生活を取り戻す”という意味で合理的になることがあります。

比較項目DIY(自力)プロ依頼(業者)
費用の目安材料費中心。数千円〜。対策範囲が広いほど上がりやすい点検・施工込み。範囲と内容で幅が大きい
時間原因特定に時間がかかる。数日かけて改善することが多い経験で弱点を早く見つけやすい。日程調整は必要
再発リスク見落としがあると残る。通気を塞ぎすぎて湿気が増えるリスク構造や排水も含めた提案で再発率が下がりやすい傾向
精神的負担自分で点検するストレスがある。継続しないと戻りやすい危険・不快な作業を任せられる。短期で安心を得やすい

この表の読み解き方は、「安い方」を選ぶことではありません。重要なのは、あなたの生活にとって“早く安心できるか”です。もしレベル1とレベル2の見直しポイントを実行しても、雨の翌日ごとに出る、粘液の筋が減らない、外周環境の改善が難しい場合は、建物側の条件が強く残っている可能性が高い。そこがプロ相談の目安になります。

一方で、出現が限定的で、外周整理と配管貫通部の封鎖、換気の時間設計で改善が見えるなら、DIYで勝てる可能性が高いです。焦りや不安で“全部やろう”とせず、効果が出やすい順に潰して、再発の変化を記録する。これが最短で、最もムダの少ない進め方です。

二度と繰り返さないために:予防とメンテナンスの“型”を作る

毎日の習慣:夜に条件を作らない。3分でできること

ナメクジは夜に動くので、夜に条件を作らないことが予防の要です。具体的には、就寝前にシンク周りを乾拭きし、キッチンマットを湿ったまま放置しない。洗面所のマットは立てかけて乾燥し、浴室は入浴後に壁・床の水滴を軽く切ってから換気扇を回す。これらは各1〜3分で終わりますが、夜間の湿気条件を崩し、翌朝の粘液跡が減ることがあります。

週次の習慣:排水と配管まわりを「点検」する

週に一度、排水口のゴミ受けとトラップ周りを洗剤で洗い、シンク下・洗面台下の配管根元に結露や水滴がないか確認します。ここで水滴が続くなら、断熱や漏れの可能性も含めて見直しが必要です。ナメクジ対策は湿気対策と重なるため、この点検は“家の健康診断”にもなります。

月次の習慣:外周とベランダの「湿りの溜まり場」をゼロに戻す

月に一度、外周1mの落ち葉を取り、鉢の受け皿の状態を見直し、ベランダ排水口を掃除します。これは“戻りやすい場所をゼロに戻す”作業です。環境は放っておくと必ず戻るので、月次でリセットする型を作ると再発率が下がりやすいです。

Q&A:よくある質問とマニアックな疑問

Q1. ナメクジが急に増えたのはなぜ?

雨が続いた、気温が上がった、外周に落ち葉や鉢が増えた、ベランダ排水口が詰まり気味になった、水回りの換気時間が短くなった。こうした変化で湿気条件が強まると、ナメクジの活動が増える可能性が高いです。増えた時期の天候と生活の変化を記録すると原因が見えやすくなります。

Q2. 室内で繁殖していますか?

可能性はゼロではありませんが、多くは屋外の隠れ場所から夜に侵入する、または鉢植えや段ボールなどで持ち込むケースが現実的です。室内の湿気が強い場所(洗面所やキッチン下)が“滞在拠点”になっていることもあります。侵入口と湿気条件の両方を見直すと再発が止まりやすいです。

Q3. 塩で退治した方が早いのでは?

塩は効果が期待できる一方で、室内では床材の傷み、白い跡、粘液が広がって掃除が難しくなるなどのデメリットが出る可能性があります。回収して密封し、粘液を確実に落として乾燥させる方が、後処理のストレスが小さいことが多いです。

Q4. 粘液の筋が毎朝あります。どこを見ればいい?

筋が集まる方向をライトで追い、壁際や配管裏、ドア枠角、巾木の下など低い位置を重点的に見ます。出た場所から半径5〜7mを集中的に確認し、筋が途切れる地点を写真に撮ると、侵入経路や隠れ場所の当たりが付きやすいです。

Q5. ベランダに多いのですが、室内にも関係ありますか?

関係する可能性が高いです。ベランダ排水口の落ち葉溜まりや湿りは、隠れ場所と餌場になります。そこからサッシ下や隙間に寄って室内に侵入するケースがあります。排水口の清掃と、侵入口の隙間対策をセットで行うと効果が出やすいです。

Q6. ペットがいるので薬剤が不安です。どうすれば?

物理封鎖と環境改善に寄せるのが安全です。配管貫通部のパテ埋め、ドア下の隙間対策、外周の湿りの溜まり場を減らす、水回りの換気時間を増やす、餌になる残り香を夜に残さない。これらは薬剤に頼らず効果を積み上げやすいです。

Q7. 賃貸ですが、どこまでやっていいですか?

原状回復を前提に、剥がせるパテ、隙間テープ、ドア下ブラシ、排水口の清掃、ベランダ排水口のメッシュカバーなど可逆的対策が中心になります。外壁や共用部の加工はトラブルになる可能性があるため、必要なら管理会社に相談し、事実を具体的に伝えるのがスムーズです。

Q8. 何をやっても減りません。プロに頼む目安は?

レベル1とレベル2の見直しポイントを実行しても、短期間に再発が続く、排水不良で水が溜まる、基礎や外壁の劣化が目立つ、外周環境改善が難しい場合は、建物側の要因が強い可能性があります。また、衛生不安で生活が回らないほど辛い場合も、早めの相談が合理的です。

Q9. ナメクジの発生源がどこか分かりません。最短で絞る方法は?

粘液の筋をライトで追い、筋が集まる方向と途切れる地点を写真に撮り、日付と天候をメモしてください。これを3日分集めると、侵入導線が浮かびます。合わせて外周1mの湿りポイント(鉢、落ち葉、排水口)を写真に残すと、屋外由来か持ち込みかの判断が早くなります。

まとめ:ナメクジが増える原因は「条件」。条件を変えれば現象は変わる

ナメクジが増える原因は、退治不足ではなく、湿気・隠れ場所・餌という条件が揃っていることが多いです。第一に、外周1mの湿りの溜まり場を減らし、排水口と雨樋周りを整える。第二に、配管貫通部やドア下など低い位置の隙間を外→内で塞ぐ。第三に、水回りの換気時間を設計し、夜に湿気と餌の条件を残さない。そして第四に、鉢植えや段ボールなどの持ち込み導線を管理する。これらを順番に潰すと、再発は現実的に抑えられます。

不快で不安な気持ちは、あなたが弱いからではなく、生活空間が侵される感覚があるからです。だからこそ、条件を理詰めで崩し、安心を取り戻しましょう。小さな一歩でも、条件が変われば翌朝の景色が変わります。

Next Step:読み終わった今すぐの最初の1アクションは、「夜にライトを床すれすれに当てて粘液の筋を見つけ、筋が向かう先(配管・ドア下・排水周り)を3枚だけ写真に撮る」ことです。写真があると、見直しポイントの優先順位がブレず、DIYでも業者相談でも一気に精度が上がります。

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