突然の不調——「修理?買い替え?」で迷った瞬間に読む記事です
食洗機が途中で止まる。洗い上がりが明らかにぬるい。乾燥が弱くて庫内がいつまでも湿っぽい。あるいは、前より音が大きくなったり、水が残ったり、エラー表示が増えたりする。毎日の家事を支える設備だけに、調子が悪いと生活が一気に回らなくなりますよね。「修理を頼んで直るの?」「いや、もう寿命で買い替えた方が得?」「でもビルトインだと工事も絡んで高そう……」と、焦りと不安が同時に来る。その気持ち、痛いほどわかります。
まず安心してほしいのは、食洗機の不調には“今日中に止めるべき危険サイン”と、“落ち着いて判断しても間に合うサイン”があることです。そして、寿命かどうかは「年数」だけで決まりません。使い方、水質、汚れの蓄積、設置環境、そして故障部位の種類で、修理が合理的なケースと、買い替えが合理的なケースがきれいに分かれます。
この記事では、食洗機の寿命の考え方を、構造(ポンプ・ヒーター・センサー・基板・パッキン)まで掘り下げて説明します。そのうえで、あなたが今の状況を自分で切り分けできるように、レベル別の点検・延命策、プロに切り替える境界線、そして修理費・買い替え費の“ざっくり相場感”までを、1本の記事で網羅します。読み終えたときに「私は次に何をすべきか」が、迷いなく決まることをゴールにしています。
問題の深刻度判定:すぐに処置が必要なケース/落ち着いて対処できるケース
すぐに処置が必要なのは、第一に焦げ臭いにおい、煙、異常な発熱、樹脂が焼けるような匂いがある場合です。第二に床やキャビネット内に水たまりができる、シンク下が濡れているなど漏水が疑われる場合です。第三に運転中にブレーカーが落ちる、電源が不安定になる場合です。これらは「寿命かどうか」以前に、安全確保(停止・電源遮断・止水・拭き取り)を優先してください。
落ち着いて対処できる可能性が高いのは、第一に洗い残しが増えた、乾燥が弱い、ニオイが気になるといった“性能低下”が中心で、漏水や焦げ臭がない場合です。第二に排水が遅い、フィルターが汚れている、運転後に残菜が残るなど、メンテ不足の影響が疑われる場合です。第三にエラーが出ても、清掃や条件調整で改善する兆しがある場合です。ここは順序立てた対処で改善することがよくあります。
※この記事は、住まい・生活トラブル分野の専門的知見を持つライターが、製品仕様や一般的な施工基準に基づき執筆しました。状況により専門業者の判断が必要な場合があります。
基礎知識(トラブルのメカニズム解剖):食洗機の「寿命」は、3つの消耗が合流した結果です
「寿命は何年?」の答えを正直に言うなら、多くの家庭ではおおむね7〜10年あたりで不具合が増えやすい、という言い方になります。ただし、これは統計的な“目安”に近く、実際には5年で調子を崩すこともあれば、10年以上大きな故障なく使えることもあります。違いを生むのは、食洗機が抱える消耗が、大きく3つあるからです。
第一は水回り特有の消耗です。水垢(スケール)やぬめり、油脂汚れが流路やフィルター、ポンプ周りに蓄積し、流量が落ちたり、負荷が増えたりします。第二は熱の消耗です。洗浄・乾燥で温度変化を繰り返すため、パッキンや樹脂部品が硬化しやすく、シール性が落ちると漏水や蒸気漏れにつながります。第三は電装の消耗で、基板やセンサー、スイッチ部が経年や湿気で不安定になり、エラーや停止が増えます。つまり寿命とは、どれか一つだけが壊れるというより、複数の弱りが重なって「もう維持がしんどい」状態になることが多いのです。
食洗機の構造をざっくり理解:どこが壊れやすく、どこは粘るのか
食洗機の心臓は循環ポンプです。庫内の水を圧送してノズルから噴射し、汚れを剥がします。このポンプが弱ると、音が大きくなったり、洗浄力が落ちたり、運転が止まったりします。次に重要なのが排水ポンプで、詰まりや負荷が続くと弱りやすい部位です。ヒーター(加熱)や乾燥ファンは、“効かない”“乾かない”として体感しやすい部位ですが、ユーザー側で触って直せる範囲が少ないため、症状が出ると修理・買い替え判断に直結しやすいです。
一方で、フィルター・残菜受け、噴射ノズル、庫内の壁面といった「汚れが原因で性能低下する場所」は、適切に掃除すると驚くほど復活することがあります。つまり、寿命だと思っていた不調が、実は“汚れの蓄積”という可逆要因であるケースが少なくありません。ここを見極めるのが、修理と買い替えを誤らないコツです。
放置のリスク:1週間後、1ヶ月後に起きやすい悪化シナリオ
「まだ動くから」と不調を放置すると、1週間後には効率の悪い運転が増えやすくなります。たとえば排水が遅い状態で回すと、ポンプが余計に頑張って発熱し、モーター寿命を縮めます。洗浄力が落ちた状態で回すと、汚れが落ちきらず庫内に残り、ぬめりや臭いが増えてさらに詰まりやすくなります。つまり“悪循環のループ”に入ります。
1ヶ月後には、軽い不調が部品交換が必要な故障へ進行することがあります。代表例が、パッキン硬化からの微量漏水です。最初は気づきにくい湿り気でも、木製キャビネットや床材に水が回ると膨れ・腐食・カビに発展し、修理が食洗機だけでは済まなくなることがあります。特に集合住宅では、階下漏水という高額リスクに直结するため、放置が得策になりにくいです。
準備編(プロが選ぶ道具と環境づくり):寿命判断は“記録・観察・安全”の3点セット
「修理か買い替えか」を迷うとき、いきなり業者に電話する前に、最低限の情報を揃えておくと判断が一気に楽になります。プロは現場でも、まず状況を“情報化”してから動きます。あなたも同じやり方ができます。
必須道具:スマホ、ライト、タオル——この3つで情報の精度が上がります
第一にスマホです。エラー表示、漏水箇所の写真、異音の動画、そして運転が止まるタイミングを記録します。「いつから」「どの工程で(給水・洗浄・排水・乾燥)」「毎回か、たまにか」をメモしておくと、見積もりの精度が上がり、不要な訪問や部品取り寄せを減らせます。第二にライトです。シンク下やキャビネット奥は暗く、漏水の“にじみ”を見落としやすいからです。第三にタオルやキッチンペーパーで、湿り気を拭き取り、再発するか確認します。
100均で代用できるものが多い一方、できれば用意したいのがビニール手袋です。フィルターのぬめりを触る抵抗が下がり、掃除が途中で止まりにくくなります。逆に、この段階でのドライバー分解はおすすめしません。ビルトイン機は特に、分解が保証や安全、施工条件に影響しやすいからです。
安全確保:濡れているならプラグに触らない。止める順番を固定する
床や手が濡れているときにプラグを抜くのは危険になり得ます。まず運転を停止し、可能であればブレーカーで遮断し、止水できるなら止水します。ビルトインで止水栓が分からない場合は、無理に奥へ手を入れず、濡れの広がりを止めることを優先します。寿命判断の前に、まず安全と被害拡大防止です。
実践編・レベル別解決策:寿命かどうかを“症状”から判定し、次の一手を決める
ここからは「自分でできる確認」と「修理・買い替えの判断」に直結する行動を、レベル別に整理します。ポイントは、いきなり“直す”のではなく、可逆(掃除で戻る)か、不可逆(部品劣化が濃厚)かを見極めることです。
【レベル1】初心者でも可能な初期対応(DIY):寿命判定のための“切り分け”をします
手順1:購入年・使用年数を把握する(保証・部品供給の現実も見える)
まず、購入時期を思い出します。レシートがなくても、家電保証書、住宅引き渡し資料、リフォーム資料に書いてあることがあります。ビルトインは「建築年=設置年」でない場合もあるため、可能なら型番ラベル(扉内側や側面)を写真に撮り、型番から発売時期の目安を掴みます。ここで年数が分かると、修理が現実的かどうかが見えてきます。
一般に、設置から間もない(たとえば1〜5年程度)の不調は、汚れや使い方の影響、あるいは初期不良や部品の個体差の可能性もあり、修理・調整で回復する期待があります。一方で、7〜10年あたりは消耗が重なりやすく、修理しても別部位が続く“連鎖故障”が起きやすくなる傾向があります。もちろん個体差はありますが、判断の土台として年数は強い材料です。
手順2:危険サインの有無を再確認する(漏水・焦げ臭・ブレーカー落ち)
寿命判断に入る前に、もう一度確認します。床・キャビネット内の濡れがある、焦げ臭い、煙、異常発熱、ブレーカーが落ちる。これがある場合は、延命のためのDIYよりも、使用中止→専門対応を優先します。特に漏水は、食洗機の寿命というより住宅側の損害に発展しやすいので、迷う時間がもったいない領域です。
手順3:洗い残し・乾燥不良の“原因が汚れかどうか”を見極める
洗い残しや乾燥不良は、寿命と思われがちですが、実は掃除で戻ることがよくあります。まずフィルターと残菜受けを外し、ぬめりと油脂を落とします。次に噴射ノズルの穴が詰まっていないか確認し、穴が詰まっているなら、柔らかいブラシでこすり、ぬるま湯で流します。ここでのポイントは、硬い針金で穴を広げないことです。穴の形が変わると噴射角度が変わり、洗浄ムラの原因になります。
掃除後、少量の食器で短いコースを回し、洗浄力が戻るか確認します。ここで明確に改善するなら、寿命よりも汚れ・詰まりが原因だった可能性が高いです。逆に、掃除しても「水の勢いが弱い」「音が重い」「乾燥が極端に弱い」などが続く場合は、ポンプ・ヒーター・ファンなど機械側の弱りが疑われます。
手順4:異音の質で判断する(軽いガタつきか、モーター系か)
音は寿命判定に役立つ情報です。軽い「カタカタ」「カラン」という音は、食器やラックの干渉であることが多く、並べ方で改善する可能性があります。しかし「ゴー」「うなり」「再始動を繰り返すような音」「一定周期で負荷がかかる音」が増えた場合は、ポンプやファンの負荷増大が疑われます。特に、以前より音量が大きくなり、同時に洗浄力が落ちたなら、循環ポンプが弱っている可能性が上がります。
手順5:排水の状態を確認する(詰まりか、ポンプ弱りか)
運転終了後に庫内に水が残る、排水に時間がかかる、エラーが増える場合は、まずフィルター清掃をします。それでも改善しないときは、排水ホースの折れや高低差を確認します。ホースが家具で潰れている、極端に曲がっている、必要以上に持ち上がっている。こうした状態は排水抵抗を増やします。条件を整えても改善しないなら、排水ポンプの弱りや内部詰まりが疑われ、修理領域に入りやすいです。
【レベル2】専用道具を使った本格的な対処法:延命できるところは延命し、無理な延命はしない
レベル2は「買い替えを先延ばしするための延命」と、「修理依頼の前に状態を整える」ための作業です。ここで重要なのは、部品を壊さない掃除と、やり過ぎないことです。食洗機は精密機器でもあるため、強い薬剤や分解はリスクになります。
本格洗浄:庫内の油膜・水垢を落とすと、乾燥や臭いが改善することがあります
庫内に油膜が残ると、熱交換の効率が落ちたり、ニオイが残りやすくなったりします。食洗機用のクリーナーや、機種が許容する範囲での洗浄運転(空運転)を行うと、体感が戻ることがあります。ここでの注意点は、食洗機非対応の強い洗剤や漂白剤を自己判断で大量投入しないことです。ゴムや樹脂部品を傷める可能性があり、寿命を縮める“逆延命”になり得ます。
給水系の確認:水が細い地域や、工事後はストレーナー目詰まりが起きることがあります
給水が弱いと、洗浄力が落ち、運転時間が伸び、結果として部品に負担がかかります。水栓の開度、分岐金具、給水ホースの折れを確認し、可能なら給水フィルター(ストレーナー)の目詰まりを説明書の範囲で清掃します。ここでも、硬い工具で突くのはNGです。破損すると漏水リスクが上がります。
“プロの失敗談”から学ぶ:修理前にフィルター清掃を怠ると、見積もりが不利になることがある
これは現場のあるあるです。修理担当が来たとき、フィルターが詰まり放題だと、まず「清掃不足による負荷増大」を疑われ、故障原因の特定が難しくなります。結果として、部品交換の提案が広がり、見積もりが大きくなることがあります。もちろんすべてがそうではありませんが、少なくともフィルター清掃と庫内の簡易清掃をしておくと、診断がスムーズになりやすいです。修理依頼は“丸腰で行かない”のが損をしないコツです。
【ケーススタディ】住居環境別の注意点:ビルトインと据置、賃貸と持ち家で判断基準が変わります
戸建て(持ち家・ビルトイン)の場合:修理と買い替えの比較に「工事費」と「キッチンの規格」が入ります
ビルトイン食洗機は、本体価格だけでなく、撤去・取付・配管接続などの工事が絡みます。さらに、キッチンの開口寸法や面材の仕様、電源・給排水位置の条件で、機種選択が制約されることがあります。だからこそ、寿命が近い場合は「故障してから慌てて選ぶ」より、「今のうちに条件を把握しておく」方が、結果的に安く・早く・納得のいく買い替えになりやすいです。
持ち家なら、買い替え時に最新機能(節水、乾燥方式、静音性、庫内容量)に更新するメリットも取りやすいです。一方で、修理で済むなら短期的な出費は抑えられます。ここは後半の判断表で具体的に整理します。
マンション・アパート(賃貸)の場合:まず「所有者は誰か」を確認し、勝手に交換しない
賃貸でビルトイン食洗機が付帯設備の場合、所有者は大家さんや管理会社であることが多く、勝手な交換はトラブルになり得ます。まずは付帯設備か私物かを確認します。付帯設備なら、修理・交換の手配は管理側が行うのが基本です。ここで大事なのは、漏水の疑いがあるときに自己判断で使い続けないことです。階下漏水のリスクがある以上、「一時的に動く」は根拠になりません。
据置型(分岐水栓)の場合:買い替えの障壁が低い反面、“水回り接続”の安全は甘く見ない
据置型は本体交換が比較的容易で、買い替え判断がしやすい一方、分岐水栓やホース接続の緩みが漏水につながりやすい面があります。寿命が近い個体は、パッキン硬化や接続部の劣化が重なることがあります。もし床が濡れる、接続部が白く固着している、触るとぐらつくなどがあれば、延命より安全確保を優先してください。
比較検討(自力 vs プロ依頼の最終判断):修理と買い替えの“境界線”を、数字と条件で決めます
ここがこの記事の核心です。結論から言うと、修理と買い替えの判断は「年数」だけでなく、故障部位の重さ、費用対効果、再発リスク、住宅リスクで決めるのが合理的です。多くのプロが重視するのは、「直したあと、何年安心して使える見込みがあるか」です。
判断の境界線:ここまでは自分でやってOK/これ以上はプロ、そして“買い替え寄り”のサイン
まず「自分でやってOK」は、第一に漏水・焦げ臭・ブレーカー落ちがないこと。第二にフィルター清掃やノズル確認、ホース折れ修正で改善する余地があること。第三に症状が軽く、再現性が弱いことです。ここは延命が効きやすい領域です。
次に「プロ(修理)へ」は、第一に同じ工程で止まる、エラーが繰り返すなど再現性が高いこと。第二に乾燥・加熱が明らかに弱い、排水が改善しないなど、内部部品が疑われること。第三に異音が増え、洗浄力も落ちていることです。ここは点検・部品交換の対象になりやすいです。
そして「買い替え寄り」のサインは、第一に設置から7〜10年近辺で、複数症状が同時に出ていること。第二に漏水や基板系、ヒーター系など高額になりやすい部位の不調が疑われること。第三に修理見積もりが新品価格の一定割合を超えることです。割合の目安として、新品の3〜5割に近づくと買い替えが合理的と判断する人が増えますが、これは設置形態や機能要求で変わるため、後ほど丁寧に説明します。
費用感の現実:修理は「出張+技術+部品」、買い替えは「本体+工事(ビルトイン)」で考える
修理費は、概ね「出張費・点検費」と「技術料」と「部品代」の組み合わせになります。ここで大切なのは、軽い清掃で済む不調と、部品交換が必要な故障では桁が変わることです。一般に、出張点検だけでも一定の費用が発生することが多く、部品交換が絡むと数万円単位になることがあります。あくまで目安ですが、小規模(点検+軽作業)で数千円〜1万数千円程度、部品交換で1万〜数万円台、主要部品(ポンプ・基板・ヒーター)になるとさらに上がるイメージです。
買い替えは据置型なら本体中心ですが、ビルトインは工事費が乗ります。さらに、面材の再利用やキッチン規格対応によって追加費用が出ることもあります。だからこそ、ビルトインは「修理が成立するなら修理の価値が高い」一方、「高額修理をしても別部位が続くなら買い替えの方が早い」という両面があります。
| 比較項目 | DIY(自分で点検・清掃・延命) | プロ依頼(修理/買い替え相談) |
|---|---|---|
| 目的 | 汚れ・詰まりなど可逆要因を除去し、寿命判定の材料を集める | 原因確定と部品交換、または最適機種選定と工事で根本解決 |
| 費用感 | 0円〜数千円(清掃用品・手袋・クリーナー) | 出張点検〜部品交換で変動。買い替えは本体+工事(ビルトイン) |
| 時間 | 30〜90分で実施可能。改善確認に1回運転が必要 | 日程調整が必要。ただし修理・交換後の安心期間が長い |
| リスク | 漏水・電装・加熱に踏み込むと危険。誤判断で悪化の恐れ | 費用はかかるが、安全に原因を追え、住宅被害リスクを下げやすい |
| 向いている状況 | 洗い残し・臭い・排水遅れなど、清掃で戻る可能性がある | 漏水疑い、乾燥・加熱不良、異音増加、エラー再発、年数が進んでいる |
この表の読み方はシンプルです。DIYは「寿命を確定する前に、戻せる可能性を潰す」ために行います。一方で、プロ依頼は「原因確定と根本解決」に価値があります。迷ったときは、漏水や電気が絡む可能性があるなら安全側に倒し、プロへ切り替えるのが賢明です。
修理が“得”になりやすい3条件:年数、部位、見積もりの比率
修理が有利になりやすいのは、第一に年数が比較的浅いことです。たとえば5〜6年程度までで、他の症状が少ない場合は「直せばしばらく使える」可能性が高まります。第二に故障部位が比較的軽いことです。ドアラッチ、パッキン交換、軽度の詰まり除去などは、修理で回復しやすい領域です。第三に見積もりが新品(または買い替え総額)に対して低いことです。一般論として、見積もりが買い替え総額の3割前後に収まるなら修理の納得度が高まり、5割に近づくほど買い替えの魅力が増します。
買い替えが“得”になりやすい3条件:連鎖故障、主要部品、住宅リスク
買い替えが有利になりやすいのは、第一に連鎖故障の気配があることです。具体的には、エラーが増える、異音も増える、洗浄も乾燥も落ちる、といった複数症状が同時に進行しているケースです。第二に主要部品の交換が必要なことです。循環ポンプ、ヒーター、基板などは費用が上がりやすく、直しても他が追いかけてくる可能性があります。第三に漏水など住宅側の損害リスクがあることです。これは修理か買い替えか以前に、「止めて安全に更新する」価値が高い領域です。
予防とメンテナンス(二度と繰り返さないために):寿命は伸ばせます。伸ばし方には“順番”があります
食洗機の寿命は、完全にはコントロールできません。しかし、延命できる部分は確実にあります。ポイントは「詰まりを作らない」「熱と湿気の逃げ道を塞がない」「負荷を上げない」の3つです。これを習慣にすると、故障頻度を下げやすくなります。
週1のながら掃除:フィルター清掃は“2分”で未来の出費を減らします
週1回、運転後のタイミングでフィルターを外し、残菜とぬめりを落とします。スマホでタイマーを2分にセットしてやると、心理的ハードルが下がります。ここで「毎回やろう」とすると続きません。週1で十分、という現実的なラインが長続きのコツです。
月1の点検習慣:ホースの折れ、シンク下の湿り気、扉パッキンの汚れ
月1回、シンク下をライトで照らし、触って湿り気がないか確認します。扉パッキンは、汚れが溜まると密閉性が落ち、蒸気漏れや臭いの原因になります。濡れ布巾で軽く拭き、カスが溜まっていないかを見ます。ここは強く擦る必要はなく、汚れを取り除く意識で十分です。
洗い物の前処理:油の塊と米粒を“入れない”だけでポンプ負荷が減ります
寿命を縮めやすいのは、油の塊と固形残菜です。皿を水で“洗う”必要はありませんが、固形のカスをさっと拭うだけで、フィルター詰まりとポンプ負荷が大きく減ります。結果として、異音や排水不良の予防になります。
おすすめ予防グッズ:食洗機用クリーナー、吸水マット、ゴム手袋
クリーナーは月1程度のペースで使うことで、油膜や臭いの蓄積を抑えやすくなります。吸水マットは微量漏水の早期発見に役立ちます。ゴム手袋は、清掃習慣を止めないための心理的な助けになります。どれも“結果を劇的に変える”というより、“悪化を遅らせる”方向で効く道具です。
Q&A(よくある質問とマニアックな疑問):寿命判断で迷いやすいポイントを整理します
Q1:食洗機の寿命は結局、何年と考えればいいですか?
A:一言で断定はできませんが、多くの家庭では7〜10年あたりで不具合が出やすいと考える人が多いです。ただし、メンテ状況や使用頻度、水質で前後します。年数は“目安”として使い、症状と費用対効果で最終判断するのが納得感が高いです。
Q2:修理したら、あと何年使えますか?
A:交換する部品と、他の部位の消耗度で変わります。軽い部品交換や調整で済むなら、しばらく安定することもあります。一方で年数が進んでいて複数症状がある場合は、直しても別の部位が追いかけてくる可能性があります。修理担当に「この部品以外の劣化はどう見えるか」を確認すると判断がしやすいです。
Q3:ビルトインは修理と買い替え、どっちが得になりやすい?
A:工事費があるぶん、軽症なら修理の価値が高いことが多いです。ただし、主要部品の高額交換や連鎖故障が疑われる場合は、買い替えの方がトータルで得になることもあります。見積もりが出たら「修理費」だけでなく「買い替え総額(本体+工事)」で比較するのがポイントです。
Q4:据置型なら買い替えが正解ですか?
A:据置型は交換が容易なので、年数が進み、故障が主要部品っぽい場合は買い替えの判断がしやすい傾向があります。ただし、フィルター詰まりやノズル詰まりが原因なら、掃除で戻ることもあります。いきなり捨てず、レベル1の切り分けを一度やる価値はあります。
Q5:洗い残しが増えたのは寿命ですか?
A:寿命とは限りません。フィルター、ノズル、庫内の油膜が原因で洗浄力が落ちていることがよくあります。掃除後に短いコースで改善するなら、寿命より“汚れの蓄積”の可能性が高いです。改善しない、異音も増えた、という場合はポンプ弱りも疑います。
Q6:乾燥が弱いのはどこが悪い?自分で直せますか?
A:乾燥は、ヒーター、送風、温度検知、庫内の通気、そして汚れの蓄積など複合要因です。ユーザーができるのはフィルター清掃、庫内の油膜除去、扉パッキンの清掃などの範囲です。加熱系やファンの故障が疑われる場合は、無理に運転を続けずプロに切り替える方が安全です。
Q7:エラーが増えました。寿命のサインですか?
A:エラーは“安全停止”の結果なので、増えるのは何らかの条件が崩れているサインです。詰まりや接触不良など軽症のこともありますが、年数が進んで同じタイミングで繰り返すなら、部品劣化の可能性が高まります。写真とタイミングを記録し、修理相談の材料にしましょう。
Q8:漏水したことがあります。修理で安全に戻りますか?
A:原因(パッキン、ホース、内部破損)によります。微量漏水は一時的に止まったように見えても、再発することがあります。特に集合住宅では、少しでも漏水が疑われたら安全側に倒して、プロ判断を入れるのが無難です。
Q9:買い替えを決めたら、選び方で失敗しないポイントは?
A:第一に設置形態(ビルトインか据置)と寸法条件を確認します。第二に家族構成と使用頻度に合う容量を選びます。第三に乾燥方式、静音性、手入れのしやすさを重視します。「機能が多いほど良い」ではなく、「掃除が続く設計か」が満足度を左右します。
Q10:今すぐ判断できません。何をすれば後悔しませんか?
A:まず型番と症状(いつ・どの工程で・どんな音や匂いか)を記録し、フィルター清掃とノズル確認を行ってください。その結果が「改善する」なら延命の価値がありますし、「改善しない」ならプロ相談や買い替え検討に自信が持てます。判断を先送りするのではなく、判断材料を増やすのが後悔しないコツです。
まとめ:寿命は“年数+症状+費用対効果”で決める。迷ったら安全側に倒すのが正解です
食洗機の寿命は、目安として7〜10年あたりで不具合が増えやすい一方、汚れや詰まりのように掃除で戻る不調も多くあります。まずは危険サイン(漏水・焦げ臭・ブレーカー落ち)を確認し、次にフィルター清掃やノズル確認など可逆要因を潰してから、修理か買い替えを判断するのが合理的です。修理は年数が浅く、故障部位が軽く、見積もりが買い替え総額に対して低いときに有利になりやすく、買い替えは年数が進み、主要部品や連鎖故障、住宅リスクが絡むときに有利になりやすいです。
Next Step:読み終わった瞬間にまずやるべき「最初の1アクション」
食洗機の型番ラベルと、気になる症状(エラー表示・濡れ・異音)の写真を撮り、フィルターを2分だけ掃除してください。この1アクションで「戻る不調か、寿命寄りか」の判断が一気に進みます。
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