突然の通信不調、焦る気持ちは当たり前です
「昨日まで普通に使えていたのに、急にWi‑Fiが遅い」「接続が切れる」「再起動しても戻らない」。 この瞬間、頭の中は一気に忙しくなります。
仕事のオンライン会議、子どもの学習動画、スマホ決済、テレビの配信サービス。 いまやWi‑Fiが止まると、生活そのものが止まったように感じますよね。
そして、多くの人が次に迷います。 「寿命なのか?修理した方がいいのか?買い替えで正解なのか?」という判断です。
その気持ち、痛いほどわかります。 結論から言うと、Wi‑Fiルーターは「壊れた/壊れていない」の二択ではありません。
内部は小さなコンピュータそのもので、熱・ホコリ・電源品質・設定の崩れ・回線側のトラブルなど、複数の要因が絡んで症状が出ます。 だからこそ、順番を間違えると「買い替えたのに直らない」「修理に出したのに原因が別だった」という二度手間が起きます。
まず最初に:今すぐ処置が必要なケース/落ち着いて対処できるケース
第一に、今すぐ電源を切ってOK、むしろ切るべきケースがあります。 焦げ臭い、樹脂が焼けたようなニオイ、触れないほど熱い、異音(ジリジリ・パチパチ・高周波が急に大きくなる)が出た場合です。
この場合は「寿命かどうか」以前に、安全の確認が優先です。 コンセントからプラグを抜き、壁側のコンセントが変色していないか、周囲に溶けた跡がないかを目視してください。
第二に、落ち着いて切り分けできるケースもあります。 たとえば「特定の部屋だけ弱い」「夜だけ遅くなる」「再起動で一時的に戻る」「いつの間にか繋がっているけど遅い」などです。
この記事では、危険サインの扱いから、寿命の目安、修理と買い替えの境界線、費用感、そして二度と迷わないためのメンテナンスまで、全部まとめて解説します。 「いまの自分の状況なら、こう動けばいい」と決められる状態がゴールです。
※この記事は、住まい・生活トラブル分野の専門的知見を持つライターが、製品仕様や一般的な施工基準に基づき執筆しました。状況により専門業者の判断が必要な場合があります。
基礎知識(トラブルのメカニズム解剖):Wi‑Fiルーターの「寿命」はどこで決まる?
Wi‑Fiルーターの寿命を理解するコツは、ルーターを「箱」ではなく小型PC+無線機+電源回路の集合体として捉えることです。 どれか一部が弱るだけでも、通信は不安定になります。
まず結論:一般的な寿命目安は「4〜6年」が多い
体感として、多くの家庭で「買ってから4〜6年あたり」で不調相談が増えます。 ただし、これはあくまで目安です。
夏場に高温になりやすいテレビ台の裏で24時間稼働、ホコリ多め、雷サージ対策なし。 この条件だと、もっと早く弱る可能性が高いです。
逆に、風通しのよい場所で、定期的にホコリを取り、UPSや雷ガードも使っている。 この条件なら、6年を超えて安定する例もあります。
寿命の正体1:熱(ヒートダメージ)が内部パーツをじわじわ弱らせる
Wi‑Fiルーターの天面がじんわり warm なのは正常範囲です。 しかし、問題は「熱が逃げない状態」が続くことです。
内部のCPUや無線チップは発熱し、放熱が追いつかないと温度が上がり続けます。 すると、はんだ接合部の劣化、コンデンサの寿命短縮、樹脂部品の変形が起こりやすくなります。
この劣化はある日突然ゼロから100ではなく、「再起動で戻る」「夜だけ落ちる」「雨の日に弱い」など、揺れ幅のある不調として現れます。 ここがやっかいな点です。
寿命の正体2:電源(ACアダプタ含む)が不安定だと、症状が通信に出る
実は「ルーター本体ではなく、ACアダプタが寿命」のケースが珍しくありません。 ACアダプタの内部にも電子部品があり、熱と時間で性能が落ちます。
電圧が一瞬だけ下がる、負荷がかかると電流が足りない。 この瞬間、ルーターのCPUは「落ちる手前」になり、無線の出力が不安定になったり、再起動がかかったりします。
つまり、「Wi‑Fiが遅い」は必ずしも無線の問題ではなく、電源品質の問題として表面化している可能性があるのです。
寿命の正体3:ホコリと湿気は、熱と腐食の両面で効いてくる
ホコリは断熱材のように堆積し、放熱を邪魔します。 さらに湿気が混じると、基板上で微小な腐食やリークの原因になります。
「冬だけ調子が悪い」「梅雨時期に落ちる」という症状は、温度差で結露が起きたり、湿度が上がって基板の抵抗値が変わったりすることで説明がつく場合があります。
寿命の正体4:規格の進化(Wi‑Fi 5→6→6E→7)が“体感寿命”を短くする
壊れていなくても、「遅い」「途切れる」と感じる原因は、家庭内の端末数と新旧規格の差にあります。 スマホ、テレビ、ゲーム機、見守りカメラ、スマート家電。
ルーターは同時にさばける通信の効率が規格と世代で変わり、古い機種ほど混雑に弱い傾向です。 つまり、物理的に壊れていなくても、環境の変化で性能不足=寿命のように感じるわけです。
放置のリスク:1週間後、1ヶ月後に起きやすいこと
いま「たまに遅い」程度でも、放置すると困りごとは増えやすいです。 1週間後には、オンライン会議やゲームでラグが頻発し、家族内で「また切れた…」が日常化します。
1ヶ月後になると、ログが膨らんだり、熱ダメージが進んだりして、再起動しても回復しない場面が増えます。 最悪なのは、雷雨や電圧変動をきっかけに完全に起動しなくなることです。
さらに見落としがちなのが、ルーター不調を放置した結果、スマホ側がモバイル通信に切り替わってデータ消費が増えることです。 家計に静かにダメージが入ります。
準備編(プロが選ぶ道具と環境づくり):切り分けは「道具の差」で一気にラクになる
Wi‑Fiルーターの寿命判断は、勘ではなく「現象の再現と測定」で精度が上がります。 ここでは、家庭でできる範囲の道具と、プロが必ず整える環境づくりを解説します。
必須道具1:スマホの速度測定アプリは“比較のため”に使う
速度測定アプリは、単発の数字に一喜一憂するためではありません。 同じ場所・同じ時間帯・同じ端末で、再起動前後や置き場所変更前後の差を比較するために使います。
無料アプリで十分ですが、「広告が多くて操作ミスする」場合は、シンプルなものを選んだ方がストレスが減ります。 100点を狙うより、継続できる道具が勝ちです。
必須道具2:LANケーブル(カテゴリ5e以上)で“回線”と“Wi‑Fi”を分ける
切り分けの核心はここです。 Wi‑Fiが遅いのか、そもそも回線が遅いのかを分けます。
短いLANケーブル(1〜2m)を一本用意し、ルーターのLANポートからPCへ有線接続します。 このとき、ケーブルはカテゴリ5e以上が無難です。
100均のケーブルでも動くことはありますが、品質がまちまちで「ケーブルが原因」という新しい混乱を生むことがあります。 切り分け用はケーブル品質をケチらないのがプロ寄りの考え方です。
必須道具3:コンセント周りの確認用に、懐中電灯と綿棒
電源周りは意外と見落とされます。 暗いテレビボード裏のコンセントやタップの差し込み口は、懐中電灯で照らすと状態がわかりやすいです。
綿棒は、差し込み口の周囲のホコリを落とす目的で使います。 ただし、内部に押し込まないことが大前提です。
あると強い:電源タップ(雷ガード)と、置き場所用の耐熱スペーサー
雷ガード付きタップは、故障予防だけでなく「既存タップが原因か?」の検証にも使えます。 また、ルーターの下に空間を作るスペーサー(耐熱の小さなゴム足など)を用意すると、放熱改善の効果が出やすいです。
段ボールや布を敷くのは逆効果です。 熱がこもり、寿命を縮める方向に働きます。
安全確保:作業前にやるべきこと(意外と事故はここで起きる)
まず、ルーターを触る前に手を乾かしてください。 水回りで加湿器を補充した直後に作業すると、無意識に湿った手で電源に触れがちです。
次に、コンセントを抜く作業がある場合は、プラグの根元を持ってまっすぐ抜きます。 コードを引っ張ると、内部断線を起こし、原因が増えます。
そして換気です。 焦げ臭いなどの異常があるときは、室内に臭気が残ります。 換気しながら、落ち着いて目視確認を行いましょう。
実践編:寿命・修理・買い替えを決める「切り分け手順」
ここからが本題です。 「症状→原因の可能性→次の一手」を、レベル別に整理します。
【レベル1】初心者でも可能な初期対応(DIY):寿命判定は“再現性”で見る
ステップ1:危険サインがあるかを30秒で確認する
まず、ニオイと熱と音です。 焦げ臭い、ツンとした刺激臭、プラスチックが焼けた匂いがしたら、電源を切ります。
触って熱いかどうかは、手を近づけて判断します。 触れないほど熱い場合は、内部で異常発熱している可能性が高いです。
音は、普段から「ファンが回る機種」もあります。 しかし急に大きくなった、ジリジリする、パチパチする、一定ではなく波打つ場合は要注意です。
ステップ2:再起動は“正しい手順”でやる(これが裏技レベルで効く)
多くの人がやりがちなのが、電源ボタンを押してすぐ戻す、またはコンセントを抜いてすぐ挿すことです。 これだと内部のコンデンサに電気が残り、状態がリセットされません。
プロが推奨するやり方は、まず電源を切り、コンセントを抜きます。 次に、60秒〜120秒そのまま放置します。
この「待ち時間」で内部の電気が抜け、メモリの状態がクリアされやすくなります。 その後、コンセントを挿して起動し、ランプが落ち着くまで3〜5分待ちます。
急いで端末を接続すると、起動中の不安定な状態を「不具合」と誤認しやすいです。 ここは実況中継のつもりで、待つ時間も作業の一部だと思ってください。
ステップ3:置き場所を変えて“熱”と“遮蔽物”の影響を除外する
ルーターがテレビの裏、床に直置き、金属棚の中、壁際の隅。 この条件だと、電波は弱くなり、熱はこもりやすくなります。
試験として、ルーターを床から30cm以上上げ、周囲に空間がある場所へ移動してください。 可能なら部屋の中央寄りに置きます。
移動後、同じ場所で速度測定を行います。 改善がはっきり出るなら、寿命というより環境要因の比率が高いです。
ステップ4:Wi‑Fiの周波数帯(2.4GHz/5GHz/6GHz)を意識して症状を分ける
2.4GHzは遠くまで届きやすい反面、電子レンジやBluetoothなどと干渉しやすい傾向があります。 5GHzは速い代わりに壁に弱いことが多いです。
同じルーターでも、2.4GHzは安定しているのに5GHzだけ切れるなら、寿命というより干渉や設定、発熱の影響が疑われます。 逆に両方が不安定なら、電源や本体劣化の可能性が上がります。
ステップ5:有線で速度が出るかをチェックし「回線」と「Wi‑Fi」を分ける
LANケーブルでPCをルーターに直結し、速度測定をします。 もし有線でも遅いなら、回線側(ONU/モデム、プロバイダ、回線工事側)の可能性が高いです。
一方で有線は速いのにWi‑Fiだけ遅いなら、ルーターの無線部、置き場所、干渉、端末側の問題に絞れます。 この一手で迷いが半分減ります。
【レベル2】専用道具を使った本格的な対処法:寿命かどうかを“費用対効果”で裁く
レベル2では、ホームセンターや家電量販店で手に入る道具を使い、修理・買い替えの判断材料を揃えます。 ここで大切なのは「直すこと」より「判断の根拠を作ること」です。
対処法1:ACアダプタや電源経路を疑う(NG例:適当な互換アダプタを挿す)
ルーター不調の原因として、ACアダプタの劣化は軽視されがちです。 しかし、ここがボトルネックなら、買い替え前に救えることがあります。
とはいえ、互換アダプタは電圧・電流・極性が一致していても、ノイズ特性や品質が異なります。 「つないだら余計に不安定」も起こります。
メーカー純正の入手が難しい場合でも、少なくとも電圧(V)と電流(A)と極性を一致させ、PSE表示のある製品を選ぶ方が安全です。 不安が強いなら、ここはプロやメーカー相談が堅いです。
対処法2:ファームウェア更新と初期化の“順番”を守る
ルーターはOSと同じで、更新が積み重なると設定との相性が崩れる場合があります。 ただし、闇雲に初期化すると、PPPoE情報やIPv6設定がわからず、復旧が難航します。
現実的には、まず管理画面に入れるならファームウェアを確認し、更新があれば実行します。 更新後に再起動しても改善しない場合、次に設定のバックアップを取ります。
そのうえで初期化し、必要最小限の設定だけ入れて症状を確認します。 この手順なら「設定が原因か、本体が原因か」をはっきりさせやすいです。
対処法3:熱対策を“実験”として行い、改善するなら寿命ではない可能性
耐熱スペーサーで底面の空気を通し、壁から離し、周辺のホコリを除去する。 これだけで、夏場の落ちる症状が消えることがあります。
ただし、扇風機を当てて無理に冷やす方法は、結露リスクがゼロではありません。 短時間の検証にとどめ、常用は避けた方が無難です。
対処法4:メッシュWi‑Fiや中継機で“弱い場所”だけ救う選択肢
「寿命」だと思っていたら、実は家が広くなった、家具配置が変わった、鉄筋コンクリートに引っ越した。 こういうケースもあります。
この場合、ルーター単体を高性能にするより、メッシュWi‑Fiの導入や中継機で構成を変えた方が、費用対効果が良いことがあります。 ただし、中継機は設置場所を間違えると逆効果になり、遅くなることもあるので注意が必要です。
【ケーススタディ】住居環境別の注意点:戸建て/マンション・賃貸で違う「正解」
戸建ての場合:電波到達と雷サージが寿命を左右しやすい
戸建ては階をまたぐと電波が急に弱くなることがあります。 吹き抜けや階段の位置、床材、断熱材の種類によっても影響します。
また、雷が多い地域や、電柱からの引き込み距離が長い場合、雷サージの影響が出やすいです。 ルーターが壊れるというより、ACアダプタやONU側が先にダメージを受けることもあります。
したがって、戸建ては「買い替えるなら雷ガードと設置環境もセットで改善」が、結果的に寿命を伸ばします。
マンション・アパート(賃貸)の場合:回線設備と管理規約が絡む
賃貸では、建物の回線方式(VDSL、光配線方式など)や共用設備の状態が、速度の上限を決めていることがあります。 この場合、高価なルーターに買い替えても、劇的に速くならない可能性があります。
さらに、壁に穴を開けた配線や、天井裏への勝手な配線変更は管理規約違反になり得ます。 電波改善目的の設置変更は、まず室内の範囲で完結させるのが安全です。
賃貸で「寿命」と判断する前に、有線で回線性能の上限を測ることが、失敗回避の近道です。
比較検討:自力 vs プロ依頼の最終判断(修理・買い替えの境界線)
ここが一番知りたいところだと思います。 結論として、Wi‑Fiルーターは「修理が得」になりにくい製品です。
理由はシンプルで、修理費(点検・送料・工賃)が、買い替え価格と近づきやすいからです。 ただし例外もあります。
自分でやってOKの境界線:ここまで
第一に、焦げ臭い・異常発熱・異音などの危険サインがないこと。 第二に、有線/無線の切り分けができていること。 第三に、設定のバックアップが取れていて初期化の復旧が見えていること。
この条件を満たすなら、再起動手順の最適化、設置環境改善、ファーム更新、必要なら初期化までを自力で進めても、事故や二度手間は起こりにくいです。
これ以上はプロ(または買い替え)推奨:ここから
第一に、熱・焦げ臭さ・パチパチ音など安全面の不安がある場合。 第二に、電源周り(コンセント変色、タップの発熱)が疑われる場合。 第三に、回線設備(ONU/モデム)も絡んでいそうで切り分けが難しい場合です。
また、在宅ワークなどで停止が許されない家庭は、切り分けに時間をかけるより、買い替え+予備機確保の方が合理的なことも多いです。
| 比較軸 | DIY(自分で切り分け・対処) | プロ依頼/メーカー対応 |
|---|---|---|
| 費用感 | 基本0円〜。LANケーブルや雷ガード等で数百〜数千円。 ただし買い替え判断が遅れると、時間コストが膨らむ。 | 出張サポートは数千〜1万円台のことが多い。 メーカー修理は送料・点検料込みで買い替えに近づきやすい。 |
| 時間 | 30分〜半日。原因が複合だと1日以上。 ただし自分の環境知識が残るメリットがある。 | 予約〜訪問まで数日かかることも。 その間の代替手段(テザリング等)が必要。 |
| リスク | 設定を飛ばして復旧できない。 危険サインを見落として通電し続ける。 つまり「手順ミス」が最大リスク。 | 費用が読みにくい。 交換部品がなく修理不可になる。 ただし安全面の不安は減る。 |
| メリット | 今後も自力で復旧できる。 無駄な買い替えを避けやすい。 | 短時間で原因特定しやすい。 重要回線(仕事・医療)なら安心を買える。 |
この表の読み解き方は、「お金」だけで決めないことです。 Wi‑Fiは生活インフラなので、停止時間そのものが損失になります。
たとえば在宅勤務で1時間の停止が致命的なら、DIYで粘るより、買い替えを即断した方がトータルで得なことがあります。 反対に、休日の検証に時間を使えるなら、切り分けで原因を掴んでから買い替える方が失敗が減ります。
また、「買い替えたのに直らない」最大原因は、回線側(ONU/プロバイダ)未検証です。 この一点だけは強調しておきます。
費用感:買い替えの相場と、修理・周辺対策の現実的な金額
ここでは「ざっくり」を避け、現実の判断に役立つ目安を置きます。 ただし価格は変動するので、幅で捉えてください。
買い替え:性能帯によって大きく変わる
一人暮らし〜2人程度で端末数も少なめなら、1万円前後でも十分なことがあります。 家族で端末が多い、オンライン会議やゲームが同時に走るなら、1.5万〜3万円帯が候補になりやすいです。
メッシュ対応やWi‑Fi 6E/7など上位規格を選ぶと、さらに上がります。 ただし、建物の回線上限が低い場合は、ルーターだけ高性能でも体感が伸びにくい点に注意してください。
修理:送料・点検料・工賃で、買い替えに近づきやすい
ルーターは家電の中でも「修理前提」より「交換前提」になりやすい製品です。 修理の見積もりが出た時点で、買い替えとほぼ同額、というケースは珍しくありません。
したがって、多くのプロは「保証期間内は修理・交換、それ以外は買い替え」を推奨しがちです。 ただし業務用や高額機種は例外で、修理の意味が出ます。
周辺対策:雷ガード・LANケーブル・設置改善は“保険”として安い
雷ガード付きタップや、適切なLANケーブル、設置場所の改善は、数千円以内で寿命を伸ばす方向に働きます。 買い替え後も使えるものなので、無駄になりにくい投資です。
予防とメンテナンス:二度と繰り返さないために、寿命を伸ばす習慣
寿命は運ではありません。 熱とホコリと電源の管理で、体感寿命は確実に伸びます。
ながら点検:月1回、手をかざして「熱の変化」を見る
月に一度で十分なので、ルーター天面に手をかざして、普段より熱くないかを確認します。 「最近ちょっと熱い」が早期発見になります。
ホコリ対策:掃除機の弱で“周辺”だけ吸う(NG:吸気口を直撃)
掃除機で直接吸い込むと、静電気や部品吸い込みのリスクがあります。 弱い吸引で、ルーター周辺の床や棚を整えるだけでも効果はあります。
ルーター本体は乾いた布で拭き、隙間はエアダスターを使うなら短く噴射し、液化ガスが吹き付けられない角度を意識してください。
電源の質:タップの寿命もある。発熱・ゆるみは交換サイン
タップが熱い、プラグがゆるい、差し込みがグラつく。 これはタップ側の寿命サインです。
ルーターだけ新しくしても、電源経路が不安定なら同じ症状が再発します。 「ルーターの寿命」を疑うときほど、電源経路もセットで見直すのがプロの視点です。
おすすめ予防グッズ:雷ガード、耐熱スペーサー、ケーブル整理
雷ガードは一度導入すれば、ルーターだけでなく家中の電子機器の保険になります。 耐熱スペーサーは放熱に効き、ケーブル整理はプラグの根元負担を減らします。
逆に、ルーターに布をかけてホコリ除けにするのは、熱がこもるので避けた方が無難です。 これ、実際に故障相談でよく出てくる失敗談です。
Q&A:よくある質問とマニアックな疑問
Q1:Wi‑Fiルーターは何年で買い替えるのが正解ですか?
多くの家庭では4〜6年が一つの目安になります。 ただし、端末数が増えた、規格が古い、熱環境が悪い場合は、もっと早めの買い替えが快適につながることもあります。
Q2:再起動で直るなら寿命ではない?
直る場合もありますが、「寿命の初期症状」である可能性もあります。 再起動後の回復時間が短くなっていく、夏だけ悪化する、発熱が増える場合は、劣化が進んでいるサインとして捉えると判断しやすいです。
Q3:有線は速いのにWi‑Fiだけ遅い。買い替えが必要?
買い替えが必要とは限りません。 置き場所、干渉、周波数帯、チャンネル、端末側の不具合などで起きます。 ただし、複数端末で同様に遅いなら、ルーター側の無線部の劣化や性能不足が疑われ、買い替えが合理的になることも多いです。
Q4:賃貸で回線が遅い気がする。ルーターを替えれば速くなる?
建物の回線方式や共用設備の制約がある場合、ルーター交換だけでは限界があります。 有線接続で回線の上限を測り、その上でWi‑Fi側の問題かを切り分けるのが失敗しない流れです。
Q5:ルーターのランプが赤い/点滅している。寿命?
機種によって意味が違うため、寿命と断定はできません。 まずは「どのランプが、どんな周期で点滅しているか」を落ち着いて観察し、再起動の正しい手順を試します。 改善しない場合、回線側の断や設定崩れ、機器故障の可能性が残ります。
Q6:初期化したらネットが繋がらなくなりました。どうすれば?
PPPoE(ID/パスワード)やIPv6方式の設定が必要な場合があります。 契約書類、プロバイダの会員ページ、あるいは以前のルーター設定の控えが鍵です。 バックアップを取らずに初期化した場合は、プロバイダ側の情報確認が近道です。
Q7:メッシュWi‑Fiにすると寿命問題は解決しますか?
電波の届きにくさは解決しやすいです。 一方で、機器自体の劣化や回線の遅さは別問題です。 つまり「弱い場所がある」ならメッシュは強力ですが、「回線が不安定」なら切り分けが先です。
Q8:突然ネットが切れるのは、ルーターの寿命以外に何がありますか?
ONU/モデム側の不調、プロバイダ側の障害、建物設備の瞬断、電源タップの接触不良、近隣干渉、電子レンジ稼働時の影響などが考えられます。 特に「決まった時間帯だけ」は回線混雑やプロバイダ要因が絡むことがあります。
Q9:古いルーターを予備機として残すのはアリ?
アリです。 ただし、古い機種はセキュリティ更新が止まっている場合があります。 予備として使うなら、最低限ファームウェア更新可否を確認し、パスワードを強固にし、使う期間を限定する方が安心です。
Q10:買い替えるなら、何を基準に選べばいい?
第一に、家の広さと壁の材質。 第二に、同時接続台数と用途(会議・ゲーム・動画)。 第三に、回線の上限(有線で出る速度)。 この3つに合った性能帯を選ぶと、過剰投資と不足の両方を避けやすいです。
まとめ:寿命は「年数」だけで決めず、切り分けで失敗を防ぐ
Wi‑Fiルーターの寿命目安は4〜6年が多いものの、実際は熱・電源・ホコリ・住環境・規格の進化で体感が変わります。 そして、修理が割高になりやすい製品だからこそ、買い替え判断で失敗しないための切り分けが重要です。
焦げ臭い、異常発熱、異音などの危険サインがあるなら、まず安全最優先で通電を止める。 危険サインがないなら、有線で回線とWi‑Fiを分け、再起動の正しい手順と設置環境改善で「寿命かどうか」を見極める。 この流れが、二度手間を最短にします。
あなたがいま不安なのは、知識がないからではありません。 インフラが止まると誰でも焦ります。 だからこそ、この記事の順番通りにやれば大丈夫です。
Next Step:読み終わった瞬間にやる「最初の1アクション」
まずはLANケーブルで有線接続し、回線が遅いのかWi‑Fiが遅いのかを切り分けてください。 ここが分かるだけで、修理・買い替えの判断が一気にクリアになります。

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